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赤十字接触 北の目的は民族和解

人道交流で新たな局面を

 北南赤十字実務接触が開城で行われている。9月17日、24日に続いて10月1日にも行われる。接触で北側は人道分野での交流に積極的な姿勢を見せている。

積極姿勢

北は秋夕に際して金剛山で離散家族の対面を行うことを提案した(写真は昨年秋に行われた離散家族対面事業)

 北南関係が凍りついた中、9月上旬、北は人道分野で積極的な提案を行った。

 9月4日、水害緊急支援を要請したのに続き、7日、抑留中の南側漁船船員を送還した。

 そして10日、朝鮮赤十字会の張在彦委員長は大韓赤十字社の柳宗夏総裁に通知文を送り、秋夕(中秋節、今年は9月22日)に際して金剛山で離散家族・親せきの対面を行うための北南赤十字実務接触を行うことを提案した。

 南はこれに呼応し、開城での接触が実現した。

 北が実務接触を提案したのは、人道問題を突破口に、悪化した北南関係を改善して民族和解を成し遂げようとする目的からだった。

 17日の接触で北側は、崇高な同胞愛と人道主義精神にのっとって離散家族・親せきの再会を行うことを主動的に提議したことは、和解と団結を図ろうとする善意の表れであり、北南間に生じた重大な事態を打開し、6.15、10.4の両北南共同宣言を履行して平和と統一の新たな局面を開いていこうとする積極的な意志の発現であると強調した。

場所問題で難航

 17日の接触で双方は、再会事業を10月21〜27日に金剛山で行うことで大筋合意し、規模や場所など、再会に関するそのほかの実務的問題を引き続き協議することにした。

 これに沿って9月24日にも接触が行われた。接触は平行線をたどり、何の進展もなかった。

 主な争点は、17日の接触で先送りにした「場所」の問題だった。

 南は再会の会場を金剛山面会所にしようと提起し、場所の問題が解決できなければ合意書を採択できないと主張していた。

 南当局の資産だったこの面会所は、「長期間の観光中断でわが方が被った被害に対する補償」(今年4月23日、名勝地総合開発指導局スポークスマン談話)として北側が没収した施設だ。他の南の施設も没収あるいは凍結されている。昨年の面会事業の時とは、資産をめぐる環境が大きく違う。

 このような状況で、北は南の提案どおり金剛山面会所で行えるよう、今年2月の金剛山観光再開協議に出席していた該当部門の関係者を交えて別途に協議を行うことを提案した。

 この提案に、南側は急に金剛山面会所での行事開催の主張を取り消して、他の場所での開催を提案。問題討議を複雑にし、日程上、当初合意した10月21〜27日の面会事業開催が遅れそうになっている。

 南は今回、基本発言文や合意書草案など何の準備もなしに接触に参加した。

 北側は、「南は人道主義や離散家族の痛みについて口癖のように言うが、これを実際に解決しようとする意思が欠如している」(朝鮮中央通信報道)と非難している。

 北側が人道問題を突破口に北南関係を改善させようとする意志を明確にしているのに対して、南側からはその意思が見えてこない。南は5月24日に発表した「独自制裁」を維持する姿勢を見せ、今回の接触でも金剛山観光再開の協議に参加した北南関係者の接触自体を露骨に拒んでいる。

 双方に北南関係改善の意志がなければ、面会の定例化どころか、秋夕に際した今回の行事も開催が危うくなるだろう。(姜)

[朝鮮新報 2010.9.29]