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6.15海外側委員会 李漢洙副委員長に聞く 2010年 統一運動で新たな転換を

6月には3者合同行事開催

 今年、6.15北南共同宣言は発表から10周年という節目を迎える。05年に発足した全民族的な統一運動連帯組織である6.15共同宣言実践民族共同委員会(6.15民族共同委員会)では今年、運動で新たな転機をもたらすための取り組みを進めている。昨年12月、中国・瀋陽で開かれた6.15民族共同委員会会議では09年の運動に対する評価と今年の課題について議論がなされた。会議に参加した6.15海外側委員会副委員長である在日朝鮮人平和統一協会(平統協)の李漢洙会長に聞いた。

−昨年の祖国統一運動に対する評価は?

昨年8月以降、北南関係改善に向けた北側の積極的な措置がとられた(写真は8月26日〜28日、金剛山で開かれた赤十字会談

 北南関係の悪化や李明博政権の反統一政策による民間統一運動団体の弾圧など、内外の情勢は複雑かつ多難で、北、南、海外3者の統一運動が困難に直面した1年だった。

 6.15共同宣言発表9周年に際して3者共同行事を開催できなかったことは非常に残念だ。しかし、困難な状況に屈することなく各地で共同宣言を守り、実践するためのさまざまな活動を展開し、統一運動を先頭に立って導いていく6.15民族共同委員会の意志を示した。

 とくに、「6.15共同宣言と10.4宣言履行のための運動期間」(6月15日〜10月4日)に日本地域委員会の呼びかけによって始まり、世界各地で展開された「統一旗連署運動」(615枚の統一旗に各人の名前と統一を願うメッセージを書き込み、北側の最高人民会議と南側の国会に渡す運動)は大きな反響を呼んだ。昨年12月13、14の両日、瀋陽で開かれた6.15民族共同委員会会議でも高く評価された。

 また、10月には海外各地域の代表が東京に一堂に会して海外同胞大会を盛大に催した。

 北南共同宣言の実践が民族繁栄の道であり、統一に寄与する道であるという立場をどのようにして堅持していくのか。これは統一運動における重要な課題だが、統一旗連署運動は運動の大衆化を促進するうえで大きな意義があった。運動には日本をはじめとする世界各地で3万人を超える同胞、各国の市民が参加した。

 瀋陽会議の場で、統一を願う海外同胞の気持ちを込め、統一旗を北と南の両委員会に伝え、これを北の最高人民会議と南の国会に渡してもらうよう委任した。

−祖国統一運動の見地から、2010年をどのように位置づけるのか?

 6.15共同宣言発表10周年を迎える今年は、統一運動、すなわち6.15共同宣言と10.4宣言の履行において新たな転換をもたらす重要な年になるだろう。

 昨年8月以降、朝米対決の清算と朝鮮半島の平和体制構築問題で新たな局面が醸成されている。このような状況の中で、北側は北南関係改善のための措置を講じている。われわれは朝鮮半島を取り巻く歴史的な転換期に民族の運命を切り開いていかなければならない。

 こんにち北南共同宣言の履行と関係改善のカギは、外部勢力に依存し同族との対決を煽りながら、和解と協力のための接触と往来を阻んでいる南朝鮮当局の政策を転換させることにある。そこに統一運動の役割がある。「6.15時代」の流れを2度と逆行させないようにするのが、2010年という年が持つ意味だと思う。

−今年の統一運動をどのような方向で進めていくのか?

6.15共同宣言発表10周年の今年、民間統一運動の盛り上がりが期待されている(写真は、昨年、統一旗連署運動を通じて世界各地から集められた統一旗)

 第1に、全民族的な統一運動連帯組織である6.15民族共同委員会の役割を高め、北、南、海外の3者連帯をいっそう強化することだ。同委員会は「6.15共同宣言の産児」とも言うべき存在であり、今年結成5周年を迎える。

 第2に、「わが民族同士」の理念の下に統一を目指す人ならば、あらゆる違いを乗り越え互いに手を結び合うという民族大団結の原則を堅持することだ。これは、統一運動の幅を広げ、運動の日常化、大衆化を進めるうえで重要な問題になる。

 第3に、海外統一運動をいっそう強化する問題を挙げたい。

 6.15と10.4の旗印を掲げて統一運動を展開していくうえで、統一運動の主体に関する問題を明確にする必要がある。

 統一運動の主体は言うまでもなく北と南、海外だ。一部では、統一の主体はあくまでも朝鮮半島の北と南であり、海外側は運動をバックアップする副次的な役割と見る傾向もあるが、決してそうではない。統一旗連署運動と海外同胞大会が物語っているように、統一運動における海外同胞の地位と役割は低くない。われわれはわれわれのすべきことをしっかりなすべきだ。

 海外側委員会は昨年末の瀋陽会議で臨時協議会を開催し、海外同胞の団結を強め、運動でよりいっそう役割を高めていくために真しな意見交換を行った。

−今後の活動の予定は?

 昨年末の瀋陽会議で決まったように、6.15共同宣言発表10周年に際して北、南、海外の3者による共同行事を開催する。われわれはこの合同行事の実現いかんが南朝鮮当局の政策転換をはかるバロメーターだとみている。

 年明けから北と南、海外側による実務接触、委員長会議などを予定している。3者が力を合わせて、行事の実現に向けた取り組みを活性化していくだろう。

 一方、平統協も今年、結成20周年を迎える。3月26日に記念行事を行い、平統協の20年の歴史を収録した記念出版物も刊行する予定だ。統一運動での役割をよりいっそう高めていくきっかけとしたい。(李相英記者)

[朝鮮新報 2010.1.13]