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〈論調〉 「拉致」と非核化は異なる問題

 先日、南朝鮮駐在日本大使は、「拉致問題」を朝鮮半島の非核化問題とともに解決すべきだの何のと力説した。一国の大使なる者が問題の本質も知らず、無分別に振る舞っているのは遺憾なことであると言わざるをえない。

 「拉致問題」が朝鮮半島の非核化問題とともに論議されるべきであるという主張はき弁である。これらは何の内的関連性もないまったく相異なる問題である。

 何の内的関連性もない「拉致問題」を朝鮮半島の非核化という重要な政治的問題とごちゃ混ぜにしようとする日本の執拗な態度には嫌悪感を催すだけである。

 問題は、日本が「拉致」問題を6者会談の議題に上程させようと躍起になる理由が何なのかということである。

 日本は「核の問題」と「拉致問題」をごちゃ混ぜにして複雑さを生み出すことにより、国際社会が朝鮮半島の非核化問題の解決に集中できないよう妨害し、ひいては自分らの不純な政治目的の達成に有利な条件を整えようと画策している。朝鮮半島の非核化プロセスを破たんさせて核武装化の口実と名分を設け、自分らの罪深い過去を覆い隠し、その清算を回避しようとするのが日本の反動層が追求する戦略的目標である。

 この野心的な目的の実現のために日本の反動層は、6者会談が開かれる最初の瞬間から「拉致問題」を対峙させるなど傲慢無礼に振る舞って朝鮮半島の非核化を望まない自分らの腹黒い本心をあらわにした。朝鮮半島の非核化には関心がなく、もっぱら「拉致問題」にだけ執着する日本に果たして6者会談参加国のポストを付与する必要があるのかという問題まで浮上するようになった。

 実際、6者会談で当然の結実がもたらされず、非核化プロセスが破たんせざるをえなかったのは日本にも主な責任がある。

 日本は、「拉致問題」と「核問題」の同時解決が朝・日関係問題解決の方途にでもなるかのように世論を流布しているが、それは現実を歪曲する欺まんにすぎない。

 朝・日関係は、「拉致問題」や「核問題」のために解決されないのではなく、日本がわが国を40余年間も不法・無法に占領し、わが人民に計り知れない不幸と苦痛を強いた特大型反人倫犯罪について誠実に認め、謝罪、賠償していないからである。従って、朝・日関係を改善し、両国の関係を正常な軌道に乗せるためには責任のある当事者である日本がまず過去の清算に臨むべきである。(民主朝鮮3月24日付論評)

[朝鮮新報 2010.3.31]