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訪日中の国連人権高等弁務官 「高校無償化」問題で見解

「朝鮮学校除外なら差別」 東京中高生徒、教員が面談 朝鮮学校差別の現状訴え

ピレイ国連人権高等弁務官(右)と面談した東京中高の教員(左)と生徒

 東京朝鮮中高級学校と在日本朝鮮人人権協会の関係者らが14日、日本を訪問中のピレイ国連人権高等弁務官と面談し、日本政府が朝鮮学校だけを「高校無償化」の対象から除外している差別の現状を訴えた。

 ピレイ氏は午後、都内で時事通信など一部メディアと会見し「教育を受ける権利は日本に住むすべての人に広げられなければならない」と述べ、朝鮮学校除外が差別にあたるとの見解を示した。

 国連人権高等弁務官(事務所=スイス・ジュネーブ)は国連事務次長の地位を有し、国連事務総長の下で国連の人権問題に関する諸活動を統括指揮している。

 面談では、東京中高の康明淑教員と朴寿姫さん(高3)が朝鮮学校と民族教育、「無償化」問題の現状や当事者としての思いを語った。

 人種差別撤廃条約委員会が懸念を表明し多くの同胞と日本市民が反対しているにもかかわらず、日本政府は朝鮮学校を「無償化」の対象から除外していることが指摘され、日本の教育基本法が「各種学校」と定める外国人学校の中で朝鮮学校だけが除外されている現状について伝えられた。また、朝鮮高級学校が日本の高校と同等の教育内容を保持していることが社会的にも認知されている事実に鑑み、日本政府が早急に朝鮮学校を対象に含めるよう働きかけてほしいとの要請があった。

 康明淑教員は朴寿姫さんは、生徒たちが自ら署名運動を展開し鳩山首相や国会議員らにメッセージを送ったが、朝鮮学校だけが除外されたことで、過去と変わらぬ在日朝鮮人差別を目の当たりにし大きな衝撃を受けたと述べた。そして、朝鮮学校は日本の植民地支配の被害者である在日同胞1世たちが、子どもたちが朝鮮人として生きていくため民族の言葉や文化、精神を教えようと築いたとし、「私たちが何を学び、どのような学校生活を送っているのか、学校を訪問し実際に見てほしい」と要請した。

 ピレイ氏は、一緒に写真を撮ろうと言いながらチマ・チョゴリ姿の教員と生徒の手を握るなど、問題への関心を示した。「1998年に初来日したとき在日朝鮮人問題について知った。それから何年も経つが、みなさんが置かれた状況は改善されず、いろいろなことが欠如した状況にあることを知った。今後もこの問題に注視していきたい」と述べた。(泰)

[朝鮮新報 2010.5.15]