〈論調〉 米国のMDシステム樹立は世界制覇戦略 |
米国がミサイル防衛(MD)システムの樹立が「敵」のミサイル攻撃から自国と同盟国の「保護」するためであると表明しているのは、その侵略的性格と危険性を隠ぺいするためのき弁にすぎない。 米国のMDシステム樹立策動は全地球的なミサイル攻撃網を形成して絶対的な軍事的優位を占めることにより、覇権的地位を維持、強化して他国に対する侵略と支配を容易に実現し、ひいては世界制覇の野望を成し遂げるためのものである。 米国のMDシステム樹立策動は本質的に、ユーラシア大陸に対する強力なミサイル攻撃網の形成である。 ロシアと中国を取り囲む周辺に各レベルのMDシステムを構築して「有事」に四方八方からミサイル攻撃を浴びせるのが米国の究極的な目的である。こうしたことから、米国はMDシステムの樹立を絶対に撤回しようとしないし、それを最大限短期間内に完成させることに主力を注いでいる。米国がミサイル攻撃の優先的対象と見なしているのは軍事戦略的要衝にあって自主的に進む国々である。米国が朝鮮とイランのありもしない「ミサイルの脅威」を言い掛かりにし、それを犯罪的なMDシステム樹立の名分にしている事実がこれを実証している。一言で言って、米国のMDシステム樹立策動は反動的な世界制覇戦略の産物であり、その実現のための主な手段の一つである。 米国のMDシステム樹立策動によって国際舞台では新たな軍備競争が生じ、平和と安全が由々しく脅かされている。 世界の平和愛好人民は米国の軍備増強、MDシステム樹立策動の犯罪性と危険性を正しく認識し、それを阻止し、破たんさせるたたかいを果敢に展開して国と民族の自主権を守り、世界の平和と安全を築かなければならない。(労働新聞16日付論説) [朝鮮新報 2010.5.21] |