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「慰安婦」問題の解決求め意見書採択、京都・八幡、木津川市議会で

 日本軍「慰安婦」問題について日本政府に誠実な対応を求める意見書が日本各地の地方議会で相次いで採択され、政府に提出された。意見書は、日本政府に対し真相究明、公的謝罪と賠償、名誉回復、歴史教育などを求めている。

 今回、意見書が採択されたのは、京都・八幡市議会(9月29日)と京都・木津川市議会(10月1日)。同様の意見書は、2008年3月に兵庫・宝塚市議会で採択されたのを皮切りに、09年6月までに北海道から沖縄までの29の地方議会で採択された。

 八幡市議会の意見書は「日本政府は2回の調査の結果、日本軍の『関与』と『強制性』を認める『河野官房長官談話』(1993年)を公にしたが、それに基づく具体的施策は無いまま今日に至っている。八幡市は平和を重要なテーマとし、市民憲章にも『いっさいの暴力を認めず平和をつらぬく』としている。私たちが真の平和を求めるためには、あの戦争をきちんと反省し、反省に基づく具体的取り組みをすることが不可欠である」と指摘した。

 木津川市議会の意見書は「政府は被害者への閣議決定による謝罪や国家による補償を行っていない。被害にあった女性たちは高齢になり、訃報も相次いでおり、一刻も早い対応が必要である」と指摘。「慰安婦」問題に誠実に対応することは、「人々の戦争被害の傷を癒し、日本がアジアを始めとする国際社会と平和的に共存してゆくために不可欠だ」と訴えた。

 これまで、米国、オランダ、カナダ、EUとアジア各国の議会でも日本政府に謝罪と賠償、歴史教育の実施などを求める決議が採択され、国連など人権擁護機関も早期解決を求め勧告している。

 日本には、いまだに「軍の関与」「官憲による強制」を否定する論調が残っているが、極東国際軍事裁判に提出され採択された各国政府機関の調査資料、大審院(現在の最高裁に相当)の判例などは、日本軍が「慰安所」政策を企画・立案した上、業者に便宜を図り、女性の移送や兵士の利用を許可したことを認めている。

 安倍政権下で「慰安婦」問題が取り沙汰された07年に国会図書館が公表した「新編 靖国神社問題資料集」には、「行政側の強い圧力」を受け1943年にインドネシアで「慰安所」を経営し、現地で強制売春の有罪判決を受け46年に獄死した日本人男性について、日本の旧厚生省と靖国神社が67年に合祀を決めていたことが記されている。

 被害者を支援する日本のある市民団体関係者は「民主党政権は事実を真摯に受け止め、高齢化した被害者、ハルモニたちを一刻も早く救うべきだ。それが東アジアの平和に貢献する道だ」と述べた。

 2000年以降、民主党、社民党、共産党などが共同で「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」を国会に何度も提出したが、その度に審議未了による廃案に追い込まれている。

[朝鮮新報 2010.10.13]