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〈論調〉 「核なき世界」は欺まん

 最近、米国が「核兵器庫の安全性確保」を口実に臨界前核実験を行った。米国の臨界前核実験は米大統領オバマの執権後、今回が初めてである。米エネルギー省傘下の国家核安全保障局(NNSA)は、高性能爆薬を起爆剤に利用してプルトニウムが連鎖反応を起こす臨界状態に至る前に爆発を中止する方法で今回の核実験を成功裏に行ったと公開した。

 今回の実験により、米国のオバマ政権が唱える「核兵器のない世界」構想の虚偽・欺まん性が赤裸々にさらけ出された。「核兵器のない世界」構想は、核兵器に依拠した米国の世界制覇の野望を覆い隠し、人々を欺くための煙幕にすぎないものである。

 米国は、世界に「核兵器のない世界」構想を掲げて、その裏で新型核兵器の開発に拍車を掛けてきた。そのような策動の一つが臨界前核実験である。オバマ政権は、来年9月まで3回にわたる臨界前核実験を行う計画である。

 米国が臨界前核実験を引き続き行って新しい核兵器を製造し、追従勢力、同盟国の核兵器開発に目をつぶり、「核軍縮」「核拡散防止」について騒ぎ立てるのは理にかなわないことである。

 米国が露骨に臨界前核実験を行い、新型核兵器の開発に狂奔して誰それの「脅威」を口癖のように唱えるのは、破廉恥なき弁である。明白にしておくが、核の脅威の真の加害者は米国であり、わが国をはじめ反帝・自主的な国々はその被害者である。米国は、世界を欺く行為をやめて犯罪的な核野望を捨てなければならない。(労働新聞26日付)

[朝鮮新報 2010.11.4]