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ハラボジと古時計−朴世永−

チックン タックン チクタッ、クン
進んで 止まって また進む
あちこち煤けた古時計

3歳 10歳 また10歳
私よりずっと歳とった
私の家の古時計

現在はとうに過ぎて行った
急いで急いで行かなくちゃ
どうして休んでばかりなの

病気がどんどん進んでしまった
ハラボジの古時計それでもチクタッ、

これはね これはね 明日へと
駆けてく足音 生きる世の歌

ハラボジ あともう少しだけ
生きてからにしてください
私たちの未来を
見てからにしてください

1928年
 ※ハラボジ=おじいさん

 (解放前児童文学作品選集「星の国」民主青年社・56年)

 パク・セヨン(1902〜89)

 京畿道生まれ。号は「白河」。解放前は「群社」「KAPF」に参加。26年よりプロレタリア児童雑誌「星の国」の編集を担当するが、35年に日本の圧力により廃刊。38年に出した処女詩集「岩燕」では、検閲により多くの作品が削除された。その他に詩集「流火」「真理」など多数ある。朝鮮民主主義人民共和国の国歌「愛国歌」、映画「パッチギ」(井筒和幸監督)の主題歌としても使われた「臨津江」の作者としても有名な詩人である。(選訳・金栞花)

[朝鮮新報 2010.10.18]