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〈在日バスケ協会のページ〉 中級部第30回 関東学生選手権大会

 関東地方学生バスケットボール選手権大会が9〜11日、朝鮮大学校、東京朝鮮第4初中級学校、東京朝鮮中高級学校で行われた。大会には初級部24チーム287人、中級部14チーム163人の計450人が参加し、熱戦を繰り広げた(初級部は次号)。

 ■中級部男子

 決勝は、連覇を狙う神奈川と、第14回大会以来の優勝を目指す東京第1のゲームとなった。

 神奈川のシュートで均衡が破れ、一気に神奈川ペースかと思われた。しかし、180センチオーバーの2選手を擁する東京第1は、粘り強いディフェンスリバウンドから速攻につなぐなど、徐々にリズムをつかみ出し、インサイドでのハイローが決まりだす。

 神奈川のディフェンスが引き気味になると、東京第1が値千金の3ポイントを決め流れをつかんだ。

 それでも神奈川は堅実なインサイドプレーとドライブインで、王者のプライドを爆発させ、両者の意地と意地がぶつかるすばらしいゲームを制し、連覇した。

 3位には東京朝中が入賞。最優秀選手賞は神奈川の金容誠選手が受賞した。

 ■中級部女子

中級部女子優勝の東京朝高

 女子決勝、東京朝中と埼玉のゲームは観客を魅了する好ゲームとなった。

 立ち上がりに浮き足立っていた東京朝中の隙を突いて、埼玉が怒涛の攻撃を仕掛ける。ドライブイン、ミドルシュートなどのほか、「それも決めてしまうのか!」というほどシュートが吸い込まれる。センターのハイポストから外につなぐ攻撃もおもしろいように展開されていく。

 終盤までビハインドだった東京朝中は、小刻みなメンバーチェンジで流れを変える。

 秋の都大会で躍進した2年生たちもアグレッシブにプレーし埼玉を困惑させる。

 勢いに乗り出したら止まらない東京朝中は、ガードからのパスへの反応が良くなり、ようやくリズムをつかみ、ついに逆転。総合力でV5を達成した。

 3位には東京第4が入賞。最優秀選手賞は東京朝中の姜珠恵選手が受賞した。

 ■今後の課題

 中級部はチーム間の差が激しい。しかし、人数が多い、少ないというそれぞれの利点を活かせるようなチーム作り、指導をしていかなければならない。

 一方、新規チームの成長も感じられた。子どもたちが中体連での結果も求められる中、高級部までを視野に入れた技術指導をしていきたい。

 技術面では、スリーポイントシュートが少なかった。来年度の新ルール導入でスリーポイントシュートエリアが拡大する。早めに対処し、インサイド、アウトサイド両面でのシュート率を上げていきたい。また、高校ボールの規格も一部変更されるので、早めの対処が必要だ。

 初級部同様、セクション別講習会、学年別講習会などを積極的に取り込み、スキルアップにつとめたい。

 編集後記

 大不況と言ってもいい今年度ではあったが、賛同者の方々からは惜しみない協力をいただいた。本当に感謝、感謝である。

 東京スポーツフェスタで身近になった他種目の団体、飲食店、医者、企業などの協賛団体が増えた。また、個人として賛同してくれた方も非常に増えた。みな、子どもたちの未来のためだと、無条件で賛同してくれた。

 今回で中級部は30回大会となった。この30年の間にどれだけ多くの方々が協力してくれたのだろうか。たぶん、30年前はバブルの時代であったと思う。

 協議後の食事会でふと、「昔の先輩たちは…」という話になる。生徒数も多かった、レベルも高かった、資金力も今よりあった、日本の生徒が練習試合のお願いに来た…などといった逸話は想像範囲内のものでしかないが、うらやましく、そしてある意味、恨めしく思ってしまう。「広告もたくさんあったんだろうな…」と。サッカー界でよく耳にする「幻の強豪」という言葉は、バスケ会でも存在していたようだ。

 さて、今年正月の高校ラグビー「全国大会」。大阪朝高が快進撃を続け、堂々3位に入賞した。すべての在日同胞が応援したことであろう。

 飲食店でも、体育館でも、「大阪朝高すごいですね!」と日本の方から声をかけられた。私が何かをしたわけではないが、誇らしくなってしまった。同じ体験を多くの同胞がしたことと思う。もう「幻の強豪」ではない。「真の強豪」と言える。

 多くの在日同胞に夢と希望と力を与えることができるスポーツ。すべての競技で「真の強豪」として名をとどろかせていきたい。その日のために微力ながら尽くしていく決意を新たにしている。【コリアンバスケットボールネット編集部】

[朝鮮新報 2010.1.27]