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AFCチャレンジカップを振り返る 代表コーチの金鍾成・在日本朝鮮人蹴球協会副会長

梁勇基選手の活躍光る

大会MVPと得点王(4得点)に輝いた梁勇基選手(在日本朝鮮人蹴球協会提供)

 サッカーの朝鮮代表セカンドチームがスリランカで行われたAFC(アジアサッカー連盟)主催のチャレンジカップ(2月16〜27日)で優勝した。チームには梁勇基(ベガルタ仙台)、金成勇(京都サンガFC)、金聖基(朝鮮大学校)の在日同胞3選手が召集され、優勝の原動力となった。代表コーチとして同行した在日本朝鮮人蹴球協会の金鍾成副会長(以下、金コーチ)に話を聞いた。

 大会には、インド、タジキスタン、ミャンマー、トルクメニスタン、キルギス、スリランカ、バングラデシュ、朝鮮が参加した。

 連日30度を超す暑さ、2〜3日に1試合の過密スケジュールのなか、他国よりもFIFAランキングが上位の朝鮮代表は、「とにかく優勝する」という強い気持ちをもって試合に臨んだ。スリランカで開催される大会にW杯出場国が参加することは珍しいようで、現地メディアは朝鮮代表を大きく取り上げた。

 朝鮮代表のチョ・ドンソプ監督は、国内でも評価が高い育成に定評のある人物。金コーチはチョ監督と2人のコーチとともにチームを支えた。チーム首脳は、今年のW杯本大会、アジア競技大会、オリンピック予選での代表選考も兼ねていたという。

 今回の代表選手は国内でプレーしている若手が中心だ。そこに在日同胞選手3人が召集された。在日同胞選手は個のアピールよりも、チームの一員として優勝を目指そうと話し合った。そのなかでもとくに、梁勇基選手は結果を残した。チームでは「梁勇基選手がいなかったら優勝はできなかった」と高い評価を受けた。

 左SHでプレーした梁選手はダイレクトスルーパスでチームの多彩な攻撃パターンを演出し、決定的なアシストも幾度となく演出した。セットプレーのキッカーとしても高い精度を見せた。

 予選リーグでの得点も含め、梁選手の勝負どころでの強さは、豊富な経験に裏打ちされいると金コーチは見ている。大会中はコンディション管理に気を使い、高い集中力で調整していたという。梁選手は、予選1試合を調整した以外は全ての試合にフル出場した。短期間の大会中に自らの役割と試合のポイントをしっかりと抑え、結果を残した。チームは梁選手を中心に力を発揮していたという。

 金コーチは、梁選手が得意とするピッチ中央でのプレーに加え、今回任されたサイドでのプレーにより、厚みが出てきていると指摘した。

 大会準決勝のミャンマー戦で1得点した金成勇選手はFWとしてチームに貢献した。予選(インド戦)、準決勝(ミャンマー戦)の2試合に出場。スケールの大きないプレーでアピールした。とくに、ヘディング、サイドから中央に持ち込んでの積極的なミドルシュートが他の代表FWには見られないアピールポイントだったと金コーチは語った。

 金聖基選手は大会序盤に負傷したが、予選2試合に出場した。身長約190センチの大型CBとして、チームではパワーを要求されている。金コーチは、パワーと柔軟性を兼ね備えているため、期待が大きいと話していた。

 「セカンドチームには、個別の能力が高い選手が多かった。試合を繰り返し、レベルアップすれば、A代表の底上げにつながるだろう」と金コーチは総括した。(東)

[朝鮮新報 2010.3.24]