「李冽理選手応援会」発足祝賀会 「受けた恩は結果で返す」 |
朝鮮大学校ボクシング部出身で日本フェザー級王者の「李冽理選手応援会」(金貴成会長、朴烈事務局長)発足祝賀会が9日、神奈川県のローズホテル横浜で開かれた。在日本朝鮮人体育連合会、在日本朝鮮人体育協会(神奈川、西東京、埼玉)、総連神奈川県本部、各地域青商会の関係者ら、学生時代の恩師、李冽理選手(27)の家族や職場仲間をはじめ、80余人が李選手と共に参加した。
「大きな力に」
開会に先立ち、李選手が日本フェザー級王者を勝ち取った試合(2月6日)のテレビ放映の映像が流された。 開会直後には、李選手のPR映像が流れ、会場に李選手が入場すると、参加者たちは大きな拍手で迎えた。 李選手は参加者たちに謝意を述べ、「まさか自分の応援会が発足されるとは思ってもいなかった。本当に恵まれているとつくづく実感した。まだまだ未熟だが、この応援会が自分にとって大きな力、支えになると思う。受けた恩はきちんと返すことをモットーとしている。みなさんにこの恩を返せるよう、まずは初防衛を勝ち取り、世界に向けてがんばっていきたい」と話した。 また、西東京体協の李相運会長は来ひんのあいさつで、「李選手は、在日同胞の中で育った千金のように貴重な存在。同胞たちの期待を背負い、『在日ここにあり!』と世界にアピールしてほしい」とエールを送った。 大学時代の恩師である朝大体育学部の許正彦学部長は、教え子の応援会発足を喜びながら、学生時代のエピソードを披露。「冽理はボクシングに明け暮れながらも、朝大4年のときには班長を務め、成績も『最優等』のインテリボクサーだった。私は冽理を朝大の教員、ボクシング部の監督として育てたかったが、彼は『プロボクサーになる夢があります』と断言した。まさに今、その道を歩んでいる。今後、世界王者になることを願っているし、必ずなれるはず」と壇上から激励の言葉を送った。そのほか、元WBCスーパーフライ級王者の洪昌守氏らから送られた祝電が紹介された。 また、李選手の兄・李哲理さんが所属するコーラスグループ「アエ」などによる余興、李選手との記念撮影、Q&Aコーナー、李選手のグッズをプレゼントするくじ引き&ジャンケン大会などで大いに盛り上がった。 会場に駆けつけた神奈川県青商会の具星鵬副会長(37)は、「みんな世界、世界というけれど、李選手自身がその期待を背負っていかにがんばっていくか、これからがとても重要だ。そのためにも、私自身、応援はもちろんのこと、よりボクシングに集中できる環境が整うように支えていきたい」と語った。 盧徹植さん(27)は、「李選手自身もまさかと言っていたが、努力して結果を出したから応援会は設けられたと思う。徐々にメンバーを増やしていって、各地に李選手の名前が浸透していけばうれしい。選手としてのみならず、同級生として上を目指してがんばってほしい」と話した。 地域でバックアップを 応援会の朴烈事務局長は、「今までは内々で祝勝会などをしていたが、もっとしっかりした団体を作ろう。李選手が拠点を置く神奈川でバックアップしよう」と李選手が日本フェザー級の王座についたのを機に、応援会発足を決意。直ちに事務局を結成した。 それから30代を中心とした10余人のメンバーたちが「李選手のために」と、一丸となり準備を進めてきたという。「私たちに力を与えてくれる李選手には少しでも良い思いをしてもらいたいと、毎日考えをめぐらし、みんなで作り上げてきた。李選手が万全のコンディションで試合に臨めるよう、できるかぎりサポートしていきたい」(朴事務局長)。 金貴成会長は、「朝青横浜支部の活動に積極的に参加し、試合ではアグレッシブな反面、低姿勢で柔和な李選手の人柄が私たちの心を動かしたと思う。地元・大阪を離れ、ここ横浜でがんばっているのだから私たちが支援しなければ」と、応援会発足の経緯を語る。「今後も、李選手が上に向かっていくのなら、一緒に向かっていきたい」。 6月5日には、東京・後楽園ホールで日本フェザー級1位の天笠尚選手(山上ジム)と初防衛戦を行う。李選手は、「自分より身長の高い選手とたたかうのは初めてだが、日本王者のプライドをかけて必ず勝つ」と意気込みを語った。(裕) [朝鮮新報 2010.4.14] |