top_rogo.gif (16396 bytes)

2010W杯〉 鄭大世選手がアシスト、ブラジルからゴール奪う

朝鮮代表、初戦は1−2で惜敗

ブラジル戦でゴールを決めたチ・ユンナム選手(撮影=李東浩記者)

 【ヨハネスブルク発=李東浩記者】朝鮮代表は16日、ヨハネスブルグのエリスパークスタジアムでグループリーグ初戦、ブラジルと対戦。1−2で敗れた。

 安英学、鄭大世選手はともにフル出場を果たした。サッカーW杯の舞台に民族教育を受けた同胞選手が立つのは初めて。鄭選手はアシストも決めた。

 朝鮮は、堅い守備で得点を許さず前半を0−0で折り返したが、後半10、27分に失点。44分に1点を返したが 惜しくも 1−2で敗れた。

 勝ち点を 獲得でき なかった朝鮮だが、前半の 堂々たる たたかいぶりや 世界ランキング1位の ブラジルから得点を奪ったことは、今後に向けた明るい材料でもある。

 次 回 は21日(日本時間午後8時30分)、ケープタウンの グリーンポイントスタジアムでポルトガルと対戦する。1966年大会の準々決勝で敗れた相手だけに、リベンジへの期待が寄せられている。

堅守速攻で見せ場も

 朝鮮は守備をしっかり固めてカウンターからの速攻で得点機会を伺った。

 前半11分、中盤でボールを奪った朝鮮は、安英学選手(17番、MF)からのパスを受けた鄭大世選手(9番、FW)が相手3選手の間をかいくぐり右足でシュートを放った。角度のないところからのシュートはGKに阻まれた。

 朝鮮は高い集中力を発揮し、ブラジルの多彩な波状攻撃にしっかり対応。ペナルティエリア内では体を張って守り抜いた。朝鮮のディフェンスをブラジルのドゥンガ監督は「ほぼ完璧に近かった」と評価した。

 安英学選手はブラジルのカカ選手(10番)をしっかりマークし仕事をさせず守備で活躍。鄭大世選手はポストプレーやサイドの突破など攻撃の基点となった。

 前半は、ボール支配率63%のブラジルが9本(枠内3本)のシュートを放ったのに対し、朝鮮も速攻などから6本(枠内2本)のシュートを放つなど応戦。両者無得点のまま後半に突入した。

 後半、ブラジルの攻撃は激しさを増した。ディフェンスラインの裏を2列目からの飛び出しで狙われるなど、危険な場面が増えてきた。

 後半10、27分に失点した朝鮮だが、固い結束力と最後まであきらめない精神力を発揮し自分たちのサッカーに専念した。そして ついに 後半44分、鄭大世選手のポストプレーからゴールが生まれた。走りこんだDFのチ・ユンナム選手(8番) が ボールを受けゴール前に持ち込み左足で決めた。44年ぶりのW杯でのゴールだ。

「経験と自信得た」

 試合後、キム・ジョンフン監督は「選手たちはとてもよく戦った。前半は選手たちが試合プランを実践しうまく守った。ボールを持ったときはいくつか良いパスを見せた。ゴールを目指し1点を挙げた。勇敢に戦ったと思っている。ブラジルからゴールを奪ったことは監督としてもうれしい。私は選手たちを誇りに思っている」と選手を称えた。残りの2試合については、「ブラジルと対戦し多くの経験を得た。残りの2試合に向け、自信も増した。目標を達成するために勝たなければいけない。次の試合までの間に戦術・戦略を準備する」と語った。

 鄭大世選手は「前半は思い通りに試合を運べたが、後半失点してから苦しくなった。ゴールを決められず勝てなくて残念だ」と述べた。国歌斉唱で涙した時の心境については「やっとこの舞台に立てたと思うと感 極まった 」と。また、「大きな舞台で、世界一のブラジルと戦えたことをうれしく思う。(次の試合に向けて)1勝すれば勝ち上がれると信じてがんばりたい」とも述べた。

[朝鮮新報 2010.6.16]