〈2010W杯〉 熱気と興奮に包まれた観客席 |
朝鮮応援団、在日同胞の姿も
朝鮮代表は、世界ランキング1位のブラジルを相手に堂々と戦った。試合を現地で観戦した人たちは、朝鮮代表選手たちの闘志あふれるプレーをたたえている。 ブラジルとの試合は15日20時30分(現地時間)に始まった。 朝鮮の選手たちがホテルを発ったのは18時15分。ロビーには朝鮮代表を激励する集団が現れた。責任者のトニー氏は、英国から20人を引き連れてやってきたと自らを紹介し、選手たちに「KOREA TO WIN!(朝鮮勝利)」と声援を送っていた。 スタジアムの観客席には、50人余りの朝鮮応援団が陣取った。「W杯で朝鮮に必ず優勝してほしい」とエールを送るキム・ミョンジョンさんは、応援団とともに打楽器を打ち鳴らしながら選手たちに声援を送っていた。 朝鮮応援団のすぐ後ろには、日本から来た在日同胞15人の姿もあった。 鄭大世選手の恩師、愛知朝鮮中高級学校サッカー部の李太繩ト督は、選手たちを眺めながら「夢のような光景だ。いまも信じられない」と語りながらも、熱い声援を送り続けた。兵庫県からやってきた文斗萬さんは「チュチェ朝鮮の威容を世界に見せつけた。世界王者を相手に点を取ったのだから」と選手を称えた。 この日、5万人でふくれ上がった観客席はブラジルを応援する人の割合が圧倒的に多かった。13歳と14歳のブラジルの少女たちは試合後、「やっぱりブラジルは強い。でも朝鮮もよくがんばった。ファンタスティックなゴールも決めた」と朝鮮代表への賛辞を惜しまなかった。 1994年W杯米国大会で優勝したブラジル代表の一員だったマウロ・シルバさんは、試合を観戦し、「今日の試合はほとんど互角の戦いだ。朝鮮はわれわれが想像したよりもずっと強かった」と語った。 駐南アフリカ朝鮮大使館の関係者は「チ・ユンナム選手の得点で力を得た」と喜んでいた。 一方、在日本朝鮮人蹴球協会の文章弘会長は、初戦に敗れはしたが悲観的なものではなく強い印象を残したと述べながら、「ブラジルは最後まで緊張を解けなかったのではないか。朝鮮が2点を奪われてもなお諦めずゴールを狙い、ついに1点をもぎ取ったからだ。44年前のイングランド大会のときのような旋風を巻き起こす予感がする」と期待を語った。 [朝鮮新報 2010.6.18] |