top_rogo.gif (16396 bytes)

〈2010W杯〉 東京朝高でパブリックビューイング 「勇敢に戦った選手称えたい」

500人が応援

 21日夜、東京朝鮮文化会館では朝青東京都本部と東京都青商会が主催する朝鮮対ポルトガル戦の応援イベントが行われた。

 大型スクリーンが設置された会場には朝青、青商会を中心に500人あまりの同胞が詰めかけた。朝鮮のチームカラーの赤いTシャツ、タオルなどの応援グッズで身を固めた同胞たち。家族連れの姿も多く見られた。

 試合開始前のセレモニーで画面に鄭大世、安英学両選手をはじめ朝鮮代表チームが映し出されると、会場には大きな拍手と歓声が沸き起こった。国歌斉唱の場面では全員が起立するなど、南アフリカ現地と応援会場が一体となった。

 8時半、キックオフ。

 朝鮮チームのチャンスのたびに歓声が上がる。「イギョラ、朝鮮!」の声援で会場の興奮は最高潮に達した。

 前半終了時点で0−1。ハーフタイム時、会場には後半の逆転に期待する空気が漂っていた。

 江戸川区から夫と3人の子どもと一緒に駆けつけた辺京姫さん(42)は、「ポルトガルは強いが、朝鮮も惜しい攻撃がいくつかあった。同点、さらに逆転して第3戦に望みをつなげてほしい。選手たちはきっとやってくれる」と話した。

 しかし後半、ポルトガルの攻撃陣が牙をむいた。8分、11分、15分と連続ゴールで0−4。懸命の応援を続けてきた同胞たちだったが、一方的な試合展開に会場は重苦しい雰囲気に包まれた。その後もポルトガルの猛攻は続き、結局朝鮮は0−7という大差で敗れた。

 しかし、会場に詰めかけた同胞たちはあきらめずにたたかうスクリーン越しの選手たちに熱烈な声援を送り続けた。

 家族連れで訪れた金智英さん(30、板橋区在住)は、「今大会は今後に向けた大きな足がかりになったと思う。最後まで闘志を燃やし立ち向かう選手たちの姿から学ぶこともあった。これからの一戦一戦が次の舞台につながっていくと思うので、今後も世界に朝鮮のサッカーをアピールしてほしい」と感想を語った。妻の李香愛さん(30)も、「負けはしたが、みんなが一つになって熱く盛り上がれたことはよかった」と話した。

 康好仁さん(85、豊島区在住)は、「選手たちは世界の舞台で勇敢に闘ったと思う。自分たちのサッカーを駆使し、最後まで強い精神力で闘い抜いた」と選手たちをねぎらった。

 在日同胞選手のがんばりを称える声も多く聞かれた。

 友人たちと応援に駆けつけた李磨美さん(21、荒川区在住)と徐梨香さん(21、江東区在住)は、「鄭大世、安英学選手は本当にかっこよかった。朝高、朝大出身で民族心をしっかりと持ちプレーしている姿は心から尊敬できる」(李さん)、「44年ぶりにW杯に出場できたことだけですばらしい。選手たちを誇りに思う」と話した。

 東京中高中級部2年の金慶福さんも、「最後まで諦めずに走り続けた選手たちの姿に感動した。コートジボワール戦では鄭大世選手にゴールを、安英学選手にはアシストを決めてほしい」と、次戦での彼らの活躍に期待を寄せた。

 この日、安英学選手の母、鄭末禮さんも会場で試合を見守った。予想外の大敗に残念そうな表情を浮かべながらも、「最後の試合では必ず勝って、勝ち点3をもぎとってほしい」と現地の選手たちにエールを送った。 (李相英、姜裕香記者)

[朝鮮新報 2010.6.22]