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〈2010W杯〉 44年前の中心選手がアドバイス

「ポルトガル戦をステップに奮闘を」

 1966年のワールドカップでチリとイタリアを撃破し、ベスト8になって千里馬朝鮮の気概を示した朝鮮代表チームの中心選手だったリム・チュンソンさん(70歳、青少年総合訓練所の元サッカー教官 、平壌市万景台区域居住)は家族と一緒に国内で生放送された朝鮮対ポルトガル戦を見た。

 リムさんにとってはポルトガルは因縁の相手である。44年前に朝鮮チームが3対0で勝っていたもかかわらず、5点を取られ惜敗したチームである。

 「44年前のポルトガルとの試合は戦術的なミスで惜しい結果になった。決して怖い存在ではなかった。」

 リムさんはわれわれにとってはテレビ解説者によって当時ポルトガルの中心選手だったエウゼビオ氏がスタジアムにいることを知った。画面に映ったその姿を見ながら、リムさんは当時の試合を思い出した。

 当時は世界のどの国も個人技を奨励したという。しかし朝鮮チームは集団力に基づく速攻、精神力に基づく闘志と腕力戦を展開した。

 前半では朝鮮を軽視していたポルトガルが集中力を発揮していない時に、先手を打って試合開始約1分で得点する成果もあった。

 「教訓もあった。3点も先取した時点で、守りを強化しながら無理をしない戦術をとれなかった。それはわれわれがワールドカップのような大きな試合の経験がなかったからだと言えるだろう。」

 ポルトガルに負けはしたが、ベスト8進出の成果は祖国の人民を大きく鼓舞した。リムさんは千里馬朝鮮の気概を示し、アジアのサッカーの開花期をもたらした朝鮮チームのメンバーだったことを 、今でも誇りに思っているという。

 21日に行われた朝鮮とポルトガルの2度目の試合について、リムさんは言う。

 「ワールドカップを通じて再び対戦した相手は世界ランク3位だった。このチームと行った試合で得た経験と教訓は大きかったと思う。朝鮮チームはワールドカップ参加資格獲得のための地域別予選での戦術上の経験をよく生かしていくべきだ。防御を強化しカウンターの攻撃を行い 、技術のある相手チームの選手たちが自分の技術を発揮できなくすれば良い。負けはしたが、世界最強チームであるブラジルとの試合では、そのようにできた。集団力、精神力に基づいて戦術をさらに改善することが 、方法の一つではないかと考える。ワールドカップの道は平坦なものではない。」

 44年前に世界を驚愕させたかつての朝鮮チームの中心選手は、このようにアドバイスしながら「今回の試合をステップに奮闘してほしい。」と熱いエールを送った。

[朝鮮新報 2010.6.23]