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ドイツ移籍に際し「鄭大世選手応援会」がイベント

「後ろには同胞がついている」

 サッカー朝鮮代表・鄭大世選手のボーフム(ドイツ2部)移籍にともない、「川崎フロンターレ鄭大世選手応援会」(崔哲名誉会長、宋成烈会長)が14日、川崎市内の飲食店で祝賀イベントを開催した。同胞、関係者をはじめ「テセ会」のメンバーら70余人が参加した。

 会場は終始、ドイツに発つ鄭選手を激励する神奈川同胞たちの熱気に包まれていた。

プレゼントは航空券

同胞のみならず多くの日本の子どもたちにも希望を与えた

 この日、参加者たちは鄭選手の残した業績を称え、移籍先のドイツでのいっそうの飛躍を期待した。

 応援会の結成(07年11月)以来、活動に奔走してきた総連南武支部の姜皓遠委員長(非専従)は「すべての試合で堂々と横断幕を掲げることができたのは、県下の専従活動家たちの地道な努力があったから」としながら、「鄭選手も、そうした雰囲気に呼応するように多くの得点を入れてくれた」と話した。

 また、川崎フロンターレの武田信平社長はイベントに際して寄せたメッセージのなかで、応援会が500人を超える大所帯に成長してくれたと感謝しながら、「鄭選手の海外移籍はフロンターレにとっても名誉なことだ」と述べた。

 この日、応援会から鄭選手にドイツ−日本間の往復航空券がプレゼントされた。「つらいときはいつでも帰っておいで」(車葡月末ア局長)という同胞たちの気持ちが込められたものだった。

 また、鄭選手からも「人間ブルドーザー」という愛称の発案をはじめ、横断幕掲示など、この間ひときわ熱心に応援活動に駆け回った朝青南武支部の黄帥烈副委員長に、特別なプレゼントが贈られた。

行き交う感謝の気持ち

 3年半にわたる応援会の地道な活動は、神奈川同胞のみならず日本市民やサポーターにも大きな影響をもたらした。

 フロンターレの私設応援団「川崎華族」の山崎真代表は、鄭選手は「フロンターレの誇り」と強調しながら「『人間ブルドーザー』は、強力な打開力でつねに川崎の勝利に貢献してくれた」と話した。また「鄭選手のみならず、安英学、梁勇基選手をはじめとした在日朝鮮人選手は本当に見事なプレーをする。世界でも活躍してくれると心から願っている」と述べた。

 県下の同胞青年たちも、鄭選手に大きな自信と勇気をもらったと口を揃える。

 崔明翔さん(朝青川崎支部)は、08年のW杯アジア最終予選を平壌で観戦した。試合後、在日同胞選手たちとの交流会に参加した彼は当時の印象について「まるで本当の兄弟のような身近な存在に感じられた」と振り返る。一方、「今回のW杯を通じて、鄭選手の愛国心がはっきりと示されたと思う。彼が在日同胞の星だということを、再度確認することができた」と話した。

 「ありがとうございました」−鄭選手はこの日、3年半もの間温かく励まし応援してくれた神奈川同胞たちに深い感謝の気持ちを表した。また、「これまでもらってきた愛情を少しでも返せたら」と、W杯で使用したサッカーボールと、ユニフォーム一式をそれぞれ県下朝鮮初級学校と神奈川高麗ジュニア(朝鮮初級学校合同チーム)に贈った。

 一方、歓送会に先立ち行われた川崎フロンターレの試合(対大宮アルディージャ、鄭選手は不出場)を観戦に来た李貞琴さん(鄭選手の母)は、「大世が神奈川の人々から大きな声援と愛情を注いでもらったことが本当にありがたい。どこに行っても後ろには常に同胞たちがついているということ、また在日朝鮮人という誇りを忘れず挑戦していってほしい」と話した。(李東浩、周未來記者)

[朝鮮新報 2010.7.26]