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春・夏・秋・冬

 元日の朝、平壌市内の百貨店は黒山のような人だかりで賑わった。市民は新年早々、3紙共同社説が掲げた「人民生活向上」を実感することになった

▼新貨幣発行後、「生活費(月給)」が以前と同じ額面で支給され、平壌の百貨店には多くの商品が運び込まれていた。新商品と価格調整に期待が寄せられていた。そして迎えた元日の開店。買い物を終えた主婦たちは「買いやすい価格」と口をそろえた。国産のテレビ、毛布、家具が飛ぶように売れた。日用品、果物、菓子、酒類、下着もよく売れた。購入者の反応は上々。「国産品を手頃な値段で買えるようになってうれしい」「市場や外貨商店に行く必要がなくなった」

▼街は東京のアメ横や秋葉原のように買い物客で賑わった。その主役は農民だ。「働きに応じて分配される」制度によって、生産目標を超過達成した農場や作業班の人たちは、多額の「決算分配(年収)」を新貨幣で受け取った。そして家電や日用品を一挙に購入し注目を集めた

▼商品は百貨店の要求に応じて供給されている。1週間で1千台のテレビを完売した平壌駅前百貨店には、さらに数百台のテレビが運び込まれていた。テレビ工場の支配人は「需要をすべて満たす」と自信たっぷりだ

▼店頭ではこんな会話も。「もう強盛大国になったのか?」「首都でサービス革命が起きたようだ」。平壌第1百貨店は、輸出用だった高価な松茸酒を市民に十分手の届く値段で店頭に並べた。リンゴは市場の半額だ。支配人は「人民に奉仕できる」喜びから目に涙を浮かべていた。(泰)

[朝鮮新報 2010.1.15]