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春・夏・秋・冬

 リンゴを片手にホテルの食堂に入ると、従業員らにいっせいに笑われた。水を運んできた従業員は笑いをこらえているようで手が震えていた。問い詰めると、ただリンゴを指差すだけで逃げて行ってしまった

▼わけがわからないままもう一度従業員を呼び、切ってくれとリンゴを手渡した。すると彼女は目を丸くして言った。「本物だったのですね? あまりに大きくてつやがあるので…」。模造品でからかっているものと勘違いしたというのだ

▼このリンゴは昨年、平壌市内の大同江果樹総合農場で収穫された。平均450グラム、最大550グラムで見る人を驚かせた品種だ。その味は絶品。訪朝経験豊富なある在日同胞に食べさせると、「リンゴ本来の甘味がしておいしい」と絶賛した。日本の店に並べても人気を集めるはずだと太鼓判を押した

▼平壌産のこのりんご、2011年には収穫量が1万トンを超える見込みだ。そしてこれが最新設備で整えられた貯蔵庫から、年中いつでも市内の各商店に届けられるようになる。それだけに人々の期待は膨らむ。CNC技術や「チュチェ鉄」生産も喜ばしいことだが、こうした実物を見せられると、「強盛大国」がより身近に感じられるという

▼このリンゴは昨年9月にオープンした普通江商店で売られている。ただ、昨年の収穫は試験的なものなので数が少なく販売制限されている。今は重労働者や功労者らに優先供給されている。在日同胞が自由に食べられるようになるには、もう少し待たなければならないようだ。それまでしっかり育つことを祈る。(泰)

[朝鮮新報 2010.2.22]