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春・夏・秋・冬

 平壌市内に「CNC」看板が現れた。平壌駅前と金日成総合大学前でみつけた。単に「CNC」と書いてあるだけなので、真意をめぐってさまざまな憶測が流れている

▼「CNC」は、工作機械の工具の移動量や移動速度などをコンピュータで数値制御する技術の略称。朝鮮では昨年、労働新聞の政論に取り上げられたことで広まった。政論の筆者によると、「CNC」という用語を知らず「数値操縦工作機械」と呼んでいた製作者たちに、金正日総書記が「CNCと簡単に呼べば良い」と指摘したことで定着したそうだ

▼CNC技術の開発は、相次ぐ自然災害と経済制裁の中でも進められた。人民生活に回すことも考慮された資金が、「血の涙をのんで」開発に充てられたこともあった。この逸話を知る人々は、「機械からご飯がでてくるのか」という批判を制し、重工業、機械工業の優先的発展で自立経済の土台を築いた金日成主席を思い出している。半世紀にわたる政策が「CNC」という先端技術としてまさに花開いたわけだ

▼この政論「尖端を突破せよ」は国家のスローガンとなった。記事に表れるフレーズをもとに歌も作られた。「何でも心に決めたらプログラムによって作る」朝鮮式のCNC技術は、「チュチェ(主体)工業の威力」「自力更生の手本」だと歌われている

▼軽快なメロディーとは対称的に、歌が持つ意味は深い。人民にとっては、自力で世界の最先端に登りつめた誇りであり、経済の目標、強盛大国建設に向けた自信でもある。だから看板を見ただけでも胸が躍る。(天)

[朝鮮新報 2010.3.1]