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春・夏・秋・冬

 「高校無償化」に関して朝鮮学校がその対象に含まれるのかどうか、平壌も注視している。3日付「労働新聞」は「民族差別、蔑視政策を強行する道を継続して歩むのなら、万人のより大きな憎しみを買い、歴史の厳しい審判を免れないだろう」と警鐘を鳴らした

▼平壌市民の会話の中には、「ハトヤマ」「オザワ」よりも「ナカイ」がひんぱんに登場するようになった。拉致問題を理由に朝鮮学校を対象から外すよう文部科学大臣に要請したことが報じられ知られるようになった

▼ただ、平壌市民はこの問題を理解するのに非常に苦しんでもいる。無料教育制度のもとで育った市民にとっては、学費負担をなくすことに反対する政治家がおり、それを支持する大人がいることが不思議でたまらないからだ。そして、国際的な常識やルールを犯してまで朝鮮人を差別しようとする考え方が理解できない

▼そんな市民に「適任者」と揶揄されている中井洽・拉致問題担当相は昨年、「北朝鮮には圧力で臨むべきだ」と発言した。「朝鮮学校はずし」が朝鮮を突き動かす圧力になるとでも思っているのか。ある日本人教師は「まさに人質外交。日本人として恥ずかしい」と語った。それを聞きながら頷く政治家もいた

▼圧力が続くかぎり、朝鮮がテーブルに付くことはない。だとすれば、騒ぐことにしか意義は見出せない。国際的な非難を浴び歴史に汚名を残すという大きなリスクを負ってまで差別したい理由は、選挙のための保守票集めか、深く根を下ろした朝鮮蔑視観の現われだ。政治理念のかけらもない。(天)

[朝鮮新報 2010.3.8]