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春・夏・秋・冬

 日本の安全保障に関する対米「密約」の存在が確認された。政権交代によって自民党政権時代のウソが白日の下にさらされることになった

▼歴代首相は米国の「核持ち込み」に関して国会で「虚構答弁」を繰り返してきた。日米同盟維持のために国民を騙す言葉を編み出してきたということだ。今回、「朝鮮半島有事における米軍の戦闘作戦行動を事前協議なしに認める」という「密約」も明らかになった。これまで国会で「日本はすでに対朝鮮攻撃の最前線基地だ」と正直に話した首相は、一人もいない

▼冷戦終結後、使われたのは「北朝鮮の脅威」というフレーズだ。「ならず者国家」「瀬戸際外交」という言葉も浸透させた。ウソも繰り返せば何とやらで、朝鮮に「敵国」のレッテルを張り、隣国の目に映る「日本の姿」を国民が想像しないように導いた

▼朝鮮は、米国の核脅威に対する「自衛的抑止力」として核兵器を持たざるをえなかったと主張する。米国は「事前協議なしの戦闘作戦攻撃」を想定していた。すなわち1950年、朝鮮半島で始まった「戦争」は終わっていない。そして日本が朝鮮を威嚇する軍事的圧力の片棒を担いできたことは、まぎれもない事実だ

▼過去の究明はなされるべきだが、重要なのは現在の状況だ。自民党政権は北東アジアの軍事対立に関与した日本の責任を省みず、朝米の核交渉が始まるとこれにブレーキをかけようとした。政権交代によって「非核」の理念を実現しようとするのであれば、まずは朝鮮敵視の詐術的レトリックにまみれた外交に終止符を打つべきだ。(永)

[朝鮮新報 2010.3.12]