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春・夏・秋・冬

 「高校無償化」と関連し、鳩山首相は4月の制度開始時には朝鮮学校を除外し、第3者機関を通じた審議を経て適否を判断するという政府方針を明らかにした。これは単に結論を先延ばしにしただけではなく、実質的に朝鮮学校にだけ「ハードル」を課した差別だ

▼「高校無償化」法案の趣旨は、「教育に係る経済的負担の軽減を図り、教育の機会均等に寄与する」こと。「朝鮮学校外し」は、法の下の平等を定める憲法14条に違反し、国際諸条約・規約に抵触する人権侵害である。あらためて確認しておく

▼鳩山首相は「国交がない国だから教科内容も調べようがない」と述べたが、各地の朝鮮学校では毎年定期的に公開授業が開かれ教科書も展示されている。その気になればいつでも手に取って調べられる。鳩山首相は「会って直接話したい」という生徒たちの求めに応じるべきだ

▼朝鮮学校に対する無知は破滅的な結論を招く。中井拉致問題担当相は、「(朝鮮学校の生徒は)日本の学校に来れば無償化になる。日本の普通の教育を受ければいい」と述べた(時事通信13日付)。いつの時代の発言かと耳を疑った。誤った認識を世間に広め差別を助長する罪は重い

▼大阪朝高を視察した橋下知事は「朝鮮学校の子どもたちは民族の誇りをもって一生懸命やっている」と感想を述べた一方、学校側に新たな「ハードル」を課した。「大人同士の話」で解決したいと述べたが、それは一方通行であってはならない。現状でも差別状態にある朝鮮学校の法的地位を考えれば、府側に見直すべきことが多い。(天)

[朝鮮新報 2010.3.15]