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春・夏・秋・冬

 土曜日の午後、渋谷のメインストリートを歩いた。同行者の中に「若い頃よく来たけど、こんな華やかな街じゃなかった」と語る中年男性がいた。その日は朝鮮学校の「高校無償化」除外に反対する集会があった

▼日本市民と朝高生たちが繁華街をデモ行進した。プラカードを持ちシュプレヒコールをあげた。取材のために歩道を歩くと、車道を埋め尽くしたデモ隊を見つめる外国人観光客が通行人に尋ねていた。彼には目の前の「JAPANESE」と「KOREAN」の見分けがつかず、なぜ一緒に隊列を組んでいるのかも解らなかったようだ

▼10年前、今回のデモに参加した学生の先輩たちと一緒にニュ―ヨークのブロードウェイを歩いたことがある。東京朝高舞踊部の米国公演に同行取材した折のことだ。飛行機の中で私服だった女子生徒たちは、ホテルに着くなり誰に言われるまでもなくチマ・チョゴリに着替え街に出た。朝鮮の民族衣装をまとい、タイムズスクエアをかっ歩する姿は、行き交う人々の視線を文字通り釘付けにした

▼あの「朝高スピリッツ」は後輩たちにも受け継がれているに違いない。今の女子生徒たちがチマ・チョゴリを着て堂々と歩けないのには理由がある。あの観光客らは理解しただろうか。街は華やかさを増したが民族排他の風潮は以前より強くなった。「無償化」除外のようなことも起きている

▼都心の繁華街に響く「差別反対」の声は日本社会の不条理を浮き彫りにするものだ。民族衣装はない。それでも差別に負けない朝高生の姿は、人々の目に焼きついたはずだ。(永)

[朝鮮新報 2010.4.2]