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春・夏・秋・冬

 インターネット上では、思わぬ情報を得られることがある。現場の生々しい状況や個人の体験など、加工されていない粗野な情報の中にも貴重な発見がある

▼米軍がイラクで民間人を殺害するショッキングな映像が公開された。07年7月にヘリ搭載のカメラで撮影された。犠牲者の中には通信社の記者2人も含まれており、同社は公開を求めていた。今回、機密情報の公開を目的とするサイトに、軍内部の者による告発として投稿された

▼映像には、まるでゲームのように攻撃を楽しむヘリ乗員の会話も記録されている。しかし驚くことに、メディアやネット上の評価は二分している。「攻撃は正当だ」、あるいは「無差別攻撃だ」と

▼映像には、負傷者の救出にあたる人を攻撃する様子も映っている。攻撃を容認した軍部は「攻撃される恐れがあった」という言い訳で責任を免れることはできない。何より、イラクを侵略し今も軍を撤退させていない米国の罪は重い

▼今年のアカデミー賞は、イラク戦争を題材にした映画に作品賞、監督賞などを与えた。受賞監督は「この映画を自らの命を危険にさらしている兵士に捧げる。彼らは私たちのためにそこにいる」と述べた。彼女にとってイラク戦争は「正義の戦争」なのだろうか。米国のイラク侵攻直後(03年3月)、アカデミー・長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した監督が、授賞式の壇上でイラク侵攻を非難した時と対称的だ。無差別攻撃の映像はすでに百万人以上に閲覧された。数分間の映像ではあるが、そこにはハリウッドが決して見せない真実がある。(天)

[朝鮮新報 2010.4.12]