top_rogo.gif (16396 bytes)

春・夏・秋・冬

 オバマ大統領の呼びかけによりワシントンで開かれた核安保サミットには47カ国の首脳・閣僚が参加した。朝鮮は出席しなかった。米国務省は「国際社会に協力する用意がある国だけを招待した」と説明した

▼核大国の「2重基準」から目をそらせるために「悪者」を仕立てる手法だ。オバマ大統領は朝鮮を「招待しなかった」のではなく「招待できなかった」というのが正しい。朝鮮は米国の核威嚇に対する抑止力として核兵器を造った。もし多国間会議で面と向かって言いがかりをつけられたなら黙ってはいないだろう

▼今回は、核テロからの「防護」に焦点を絞った会議だった。アルカイダなど「非国家組織」が念頭に置かれ、NPT(核不拡散防止条約)に加盟せず、核兵器を保有しているとされるイスラエル、パキスタン、インドも会議に参加した。米国と敵対していないこれらの国々は「核拡散の元凶は米国」とホスト国の面子をつぶすようなことはしない

▼ところが朝鮮と米国には信頼関係がまったくない。原因は米国側にある。朝鮮を「核先制攻撃」の対象に指定し、軍事的圧力を続けている。威嚇と抑止力は比例するものであるが、「核なき世界」を掲げるオバマ大統領は朝鮮半島の核問題で行動を起こしていない

▼2012年の次回サミットはソウルで行われる。李明博大統領は「北が核放棄の意志を見せれば招待する」と語った。道理を知らない人間の的外れのコメントだ。次のホストの意向に関わりなく、米国の対朝鮮核政策が変わらないかぎり、そのような「招待」はありえない。(永)

[朝鮮新報 2010.4.16]