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春・夏・秋・冬

 知人が平壌で売られている珍しい商品を手に入れたとうれしそうに見せてくれた。だが、見覚えがあったので入手先をたどってみた。すると、筆者が平壌帰りに配った土産のうちの一つであることがわかった

▼それは朝鮮の三日浦特産物工場で生産された「松茸酒」。原料はすべて国内のもので100mlずつビニールに密封された「携帯用酒」と呼ばれる珍品だ。包装がきれいで価格も安く、土産には最適だ。アイデアや包装技術も評判で、開封されずにいろんな人に紹介されていくうちに戻ってきてしまったわけだ

▼朝鮮で松茸といえば七宝山産。世界的にも有名で、訪北した金大中元大統領や盧武鉉前大統領にプレゼントされたことでも知られている。酒も松茸も好まないので関心が及ばなかったからか初耳だった。この「七宝山松茸酒」は輸出されており、「二日酔いしない」と評判だという

▼この高級酒が「携帯用」として包装され、三日浦特産物商店で格安で販売されている。平壌だけでなく各道にもこうした「三日浦式」の特産物総合食料工場が建設された。地域ごと、季節ごとの特産物が直売店を通して人民の手に渡るシステムが確立されている

▼「松茸酒」は羅先でも輸出用として生産されていた。こちらは今年から平壌第1百貨店で販売されている。価格は輸出用の20分の1ほどだ。1月1日、支配人は多くの客で賑わう店内の様子を眺めながら「高級品を人民に提供できるのがうれしい」と涙していた。土産が戻ってきたことで、支配人の涙の訳をあらためて知ることになった。(天)

[朝鮮新報 2010.4.19]