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春・夏・秋・冬

 「偏見自体はなくならないとしても、偏見に基づいた行為は抑えることができる。人は理性的な動物だから」。こう指摘した学者がいる。ここが差別を止める境界線だという

▼石原・東京都知事は、永住外国人への地方参政権付与に反対する集会で、「与党には親などが帰化した党首、幹部は多い。先祖への義理立てか知らないが、日本の運命を左右する法律をまかり通そうとしている」と発言。その根拠に「インターネットの情報」を挙げた

▼社民党の福島党首は、「私も私の両親も帰化した者ではない」と否定したうえで、「そのことを問題にすること自体、人種差別ではないか」と非難し、発言の撤回を求めた。これに対し石原知事は「差別する意識は全くない」と撤回を否定し、「自分の手で戸籍を証した方がいい」とまで言い放った

▼これまでも数々の暴言で多くの人を傷つけ、国連人種差別撤廃委員会から改善を求められたこともあったが、反省の色はうかがえない。1983年、彼の公設秘書が同じ選挙区の立候補者の選挙ポスターに「北朝鮮から帰化」というシールを張り逮捕されている。根は深い

▼問題発言を報じたメディアは多いが、発言が人種差別、外国人蔑視の暴言であることを指摘するメディアは少ない。「毒舌キャラ」として定着してしまっているようだ。しかも、一部の地方自治体の首長らの尊敬の的になっているというから呆れる。日本が朝鮮を植民地にしてから100年。差別主義者が「人気」を得ているところに、日本の過去清算、歴史・人権教育の欠落が表れている。(天)

[朝鮮新報 2010.4.26]