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春・夏・秋・冬

 都内で行われたあるシンポジウムで、経済不況、社会不安などで閉塞した日本社会に排他的価値観がまん延しているとの指摘があった。その矛先の一つが在日朝鮮人に向けられ、「高校無償化」問題として表面化しているという

▼「在特会」の朝鮮学校襲撃に関して、保護者でもある大学教授は「相手をおとしめることで自己を正当化しようとしている」と厳しく非難した。日本の大学教授も、朝鮮人を弾圧することでアイデンティティーを保とうとする者が存在していると指摘。その根源には清算されることなく続く植民地主義があるという

▼中井拉致問題担当相は、国連人種差別撤廃委員会の勧告や日本の法曹界、市民団体の指摘にもかかわらず、朝鮮学校の教育内容や無償化された場合の給付金の行き先についてでたらめな主張を繰り返している。保守系のメディアや市民団体とスクラムを組み、朝鮮学校排除の網を張っている

▼南朝鮮の哨戒艦沈没に関して喧伝されている「北関与説」も構図は同じ。危機をあおって自己の主張を根拠づけ、支持を得ようという「お決まり」のパターンだ。統治危機を脱するには時代錯誤な対北政策にでもしがみつくしかないのだろう。「北朝鮮崩壊時、軍隊派遣の必要も」などと米シンクタンクの研究報告を紹介する報道まで現れる始末だ

▼事実に基づかない批判はただの誹謗中傷でしかない。ましてや、自らの政治意図の達成のために在日同胞や朝鮮を利用すべきでない。敵を叩いて自己を正当化するやり方で選挙戦を乗り切ろうという浅はかな考えは捨てるべきだ。(天)

[朝鮮新報 2010.5.10]