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先日参加した結婚式で、20数年前に自宅で撮影された新郎新婦の幼い頃の映像が流れて驚かされた。最近は携帯電話やデジカメで誰でも手軽に動画を撮れるようになった。今後、こうした演出が主流になるのかもしれない ▼服飾関係の仕事をする知人にこの話をしたところ、「流行は繰り返すが、ただの繰り返しではなく常に進化している」という話をしてくれた。つまり「アウフヘーベン(止揚)」だそうだ。新しいものが生み出されるとき、古く捨て去られるものの中でも良い部分は引き継がれ、新しい高い段階へ発展するという「らせん的発展」を説明する哲学の概念だ ▼ズボンのデザインに「ベルボトム」「フレア」などと呼ばれるものがあるそうだ。ズボンが裾にかけて広がっていることで、ゆったり履けて足が長く見える効果があると人気だという。どう見ても「パンタロン」や「ラッパズボン」だが、似て非なるもの。一昔前に朝高生が履いていたものとは同じでない。パンタロンも「アウフヘーベン」されている ▼東京とパリを往復し常にファッションの最先端を進む知人だが、伝統手芸の勉強も怠らない。新しいものも、古き良きものが受け継がれてこそ光る。くだんの結婚式では、民族衣装に身を包んだ新郎新婦の姿に会場からため息が漏れた。参加者が輪になり民謡や踊りで二人を祝福した ▼一世紀を超えた在日朝鮮人史。新しい歴史は、運動の「アウフヘーベン」によって切り開かれる。新しく取り入れること、受け継ぐこと、そして捨て去ること、きちんと議論されなければならない。(天) [朝鮮新報 2010.5.17] |