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春・夏・秋・冬

 南朝鮮の「軍民合同調査団」は20日、哨戒艦「天安」号の沈没が「北の魚雷攻撃」によると断定した。これに対し朝鮮は「謀略劇」だと非難し、物証を確認するため国防委員会検閲団を現地に派遣すると通告した

▼科学的、客観的な証拠のない調査結果報告は、当初から船体の老朽化、米原潜による「誤爆」や「事故」など沈没直後から提起された疑惑を増幅させたにすぎない。朝鮮が主張するように「物証にはささいな疑惑もあってはならない」

▼調査報告発表後、同胞や総聯活動家に会うと開口一番話題に上る。「なぜ南では問題だらけの調査団の報告に疑問を投げかけるメディアがないのか」。落胆の声が多い。合同調査団が「北朝鮮で製造されたということを立証する証拠」として挙げた魚雷スクリュー推進部の「1番」表記は、「北関連説」の証拠として提示するにはあまりに幼稚で、笑い種になっている。「マジックで1番と書けば何でも朝鮮産に変身するのか」

▼南では真相究明が厳しく取り締まられている。「天安」号の沈没現場近くに米原潜が沈没していたのではないかと報じたKBSテレビは、当局から名誉毀損で告訴された。「座礁説」を主張した合同調査団のメンバーも海軍に訴えられた。捜査は公安が仕切っている。言論は事実上封殺され、異論は許されない状況だ

▼反米自主化、反独裁民主化を目指して民衆がたたかった光州人民蜂起から30年。時代は逆行している。「人権と表現の自由の面で大きく萎縮している」。国連意思表明の自由特別報告官の忠告も耳に届いていない。(天)

[朝鮮新報 2010.5.24]