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春・夏・秋・冬

 鳩山首相が辞意表明した日、南朝鮮の統一地方選でハンナラ党が大敗した。任期折り返し点を迎えた李明博政権にとって「中間評価」の意味合いを持つ

▼政権与党はマスコミの「事前予想」と異なる結果に衝撃を受けたという。選挙を前に、哨戒船沈没が「北の仕業」だと発表された。「報復」を叫ぶことで有権者の安保不安を煽り、保守層を結集させる状況がつくられた。大統領が「対北制裁」のために動き、米・日の「支持」も取りつけた。「沈没原因の発表に国民の70%以上が同意」したとする世論調査結果が示される中、選挙での「圧勝」は確実視されていた

▼しかし哨戒船沈没事件によって政権の失政に免罪符が与えられることはなかった。「反北世論」を前提にした「戦争論」に対して厳しい審判が下った。有権者は事件を政治利用する手口を見抜いていたということだ。投票日の一週間前、「われわれは戦争を恐れない」という大統領発言は「国民を脅迫するのか」と反発を呼んだ

▼今回、南の世論調査の信頼性が崩れた。「北攻撃説」に対する疑問の声は依然として高い。北南の軍事的対立を「70%以上の国民」が容認するであろうという偽政者の身勝手な判断に対しては明確に「ノー」が突きつけられた

▼米・日との連係プレーで「戦時大統領」を演じても選挙に勝てなかった。起死回生のために打った大芝居の評価は芳しくなく、数日前「対北強硬策」で一致した隣国の首相は早々と舞台から転がり落ちた。情勢を見誤り、制御不能に陥った暴走政権の瓦解が一段と早まりそうな気配だ。(永)

[朝鮮新報 2010.6.4]