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朝日新聞が「情報機関」の意向を代弁するコラムを掲載した。書き手は「本社主筆」、「新聞の顔」といわれる1面を使った。世論の扇動をねらった確信犯の手法だ ▼読まされたのは記事というより謀略文に類する。W杯の結果や哨戒船沈没事件を「平壌の最高指導層」と結びつけ「北の体制危機」を唱える。客観的根拠はない。たわごとを並べただけの文章の稚拙さには驚くばかりだ ▼本紙記者は南アフリカでサッカーの朝鮮代表を密着取材した。哨戒船沈没に関する朝鮮国内の世論も現地で確認した。取材事実を積み上げて得た結論は、朝日新聞とはまったく異なる。「主筆」のペンは「記者の現場」とは別の次元で動いているということだ。実際、彼の文章には「情報系統のプロ」という人物が登場する ▼朝鮮に関する怪情報の氾濫には、それなりの背景がある。米国は朝鮮との対話を拒み、哨戒船沈没事件を機に日本と南朝鮮をさらに牛耳るための画策を続けている。「北包囲網」をねらったブラック・プロパガンダもその一環だ。「主筆」のコラムによると現在、朝鮮の内情について「日米韓の情報機関の見方はほぼ一致している」という。3者がねつ造された話をキャッチボールしてウソを膨らませているということだ ▼新聞社がその片棒を担いだ。悪意に満ちた世論操作で日本をどこに導こうとしているのか。「情報屋」は匿名で世論を操り、情勢が変われば前言を翻す。「ブンヤ(記者)」は違う。提供したニュースには責任を負わなければならない。時流に乗った「書きっぱなし」は許されない。(永) [朝鮮新報 2010.7.9] |