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春・夏・秋・冬

 家族が期待する「新たな情報」など持たない「元工作員」を訪日させ、前首相の別荘に招く−見え透いた政治パフォーマンスをメデイアが大々的に取り上げた。国民を騙し、朝鮮敵視の政策を継続させるための世論操作の手法は、政権交代後も変わらない

▼「しょせん、23年前の人ですから、超法規的措置を取ってまで、来日する意味があるのかどうか」−元家族会副会長が指摘した「素朴な疑問」に答えるような政府側の説明はなかった。これまでも「元工作員」は信憑性のない「証言」を繰り返してきた。世間の注目を集める偽証者を日本に送り出したい勢力と彼女を迎え入れたい勢力の利害関係が一致した。訪日中に突然浮上した「拉致被害者」の「生存情報」なるものも、今回の計画を進めた勢力の意向に沿って「提供」されたのだろう

▼「手料理をふるまった」というピントはずれな話題しか提供できない空虚な「対面ショー」をなぜ、この時期に行ったのか。一部メデイアは「政権浮揚策」との見方を示したが、視点を広げれば朝鮮半島情勢との関連性もある

▼米、日、南は哨戒艦沈没事件の「責任」を追及すると息巻いていた。しかし国連安保理は「北の仕業」とは認めず、対話による問題解決を求めた。それに従いたくない勢力は当分の間、「反北キャンペーン」に熱をあげるだろう

▼しょせんは負け組みの悪あがきだ。支持率低下に悩む日本の政権にとっても目先の人気取りは命取りになりかねない。拉致問題で世論を煽り、対朝鮮外交で袋小路に陥った過去の政権は、例外なく短命に終わった。(永)

[朝鮮新報 2010.7.23]