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朝鮮学校への「高校無償化」適用を巡り、さまざまな憶測が飛び交っている。現在明らかなことは、文科省側は「専門家会議」の判断に従う姿勢であり、その結論は「まだ出ていない」(文科省職員)ということ ▼4日の参院予算委員会でこんなやりとりがあった。「専門家会議にどうして僕を呼んでくれないのか疑問」(中井洽拉致問題担当相)、「会議に中井氏を呼んでもらえないか」(山本一太参院議員)。文科省に要請に訪れたある市民団体代表は「『お呼びでない』ってこういう時に使うのね」と失笑していた ▼産経新聞は反朝鮮、反総連の「論客」を総動員し適用反対のキャンペーンを展開。「朝鮮学校無償化除外へ知恵を絞れ」(2月23日付主張)というから、常軌を逸して久しい。その情報操作やあら探しがどれほど滑稽で不当極まりないものなのか、日本の高校と同じく普通の高校生が通う朝鮮学校に行けば一目瞭然だ ▼川端文科相は「専門家の方に判断基準や、どう判定するのかを議論していただいている」と述べた。朝鮮学校だけが検討対象にされていること自体、不当だが、「専門家会議」が朝鮮高級学校について「高等学校の課程に類する課程を置く」と認めた場合、朝鮮学校に対するあらゆる差別的な扱いは、その「根拠」を失う ▼連日、文科省には日本各地から要請団が訪れている。その内容は「無償化」だけにとどまらない。民族教育と朝鮮学校に対する根本的な差別、生徒に対する嫌がらせを是正し防止するよう訴えている。滑稽な議論に惑わされ本質を見失ってはいけない。(天) [朝鮮新報 2010.8.9] |