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春・夏・秋・冬

 「韓国併合」100年に際し、日本政府は10日、首相談話を発表。植民地支配に関して、「多大の損害と苦痛に対し、ここにあらためて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明」した。しかし、談話は南朝鮮にだけ向けられたもので、朝鮮に対してはただの一言も言及していない

▼朝鮮半島が2つに分断されたのには、日本と米国に大きな責任がある。談話を通じて菅直人首相は、「歴史に対して誠実に向き合いたい」と述べているが、21世紀唯一の分断国家が、自分たちのせいで隣に存在しているという歴史的事実には向き合っていない。でなければ、あのような談話が発表されるはずはない

▼一方で、李明博大統領にも呆れる。「朝鮮半島出身者の遺骨支援といった人道的な協力」「朝鮮王朝儀軌等の朝鮮半島由来の貴重な図書」の返還などと共に、「未来志向の日韓関係」などの文言が盛り込まれた談話に関する説明を受けて謝意を示したあげく、「日韓両国は将来、より強い協力関係を築くことができる」と大喜びしている

▼北と南、海外のすべての朝鮮民族が支持した6.15共同宣言と10.4宣言を否定した時点で、もはや同族とも思っていない。しかし、「中国や北朝鮮に弱みを見せた」と騒ぐ日本の保守勢力に利用されているのを見ると、哀れにさえ見えてくる

▼「反省」と「お詫び」の気持ちが本当にあるのなら、日本の負の歴史の象徴である在日同胞の処遇改善に真っ先に取り組むべきではないのか。南を利用した、形だけの「首相談話」など、朝鮮半島と日本の関係改善には何の役にも立たない。(国)

[朝鮮新報 2010.8.11]