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春・夏・秋・冬

 敗戦65年という節目を迎えた今年、日本のテレビや大手新聞は特集を組み、戦争の悲惨さ、戦争によって犠牲を強いられた市民をクローズアップした。毎年思うことだが、ことさら「被害」だけを強調し、「加害」についてはほとんど触れないことに違和感を覚える

▼「韓国併合」100年でもある今年は、市民団体のメンバーをはじめ知識人などの良識ある日本の人々が朝鮮半島と日本の真の和解、友好を目指してさまざまな活動を展開している。その一方で、日本政府は南朝鮮だけに向けた「首相談話」を発表するなど、とても真の和解を目指しているとは思えない行動を取っている。政と民のかい離はますます進んでいる

▼日本は近隣のアジア諸国に対し、「未来志向」という表現を使うが、負の過去に対する真摯な反省なしに未来に向かうことはできない。これまでの言動などを見ていると、日本政府はもちろん、保守勢力の言う「未来志向」という表現には、「過去のことをいつまでも引きずるな」というニュアンスが多分に含まれているように思える

▼平壌では12日、「日帝の反人倫犯罪被害者たちの証言集会」が開かれ、日本が過去の罪に対する責任と義務を果たすことを強く求めた。強制労働や被爆など、朝鮮の被害者たちの多くがすでにこの世を去り、存命の人たちも高齢で健康状態も思わしくない

▼節目の年も半分を過ぎた。日本政府が旧態依然とした態度を取っているかぎり、朝鮮半島との関係はもちろん、アジアの近隣諸国との真の和解も成し遂げることなど到底無理な話だ。(国)

[朝鮮新報 2010.8.20]