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春・夏・秋・冬

 今年5月以来、4カ月ぶりの電撃訪中。世界を駆け巡ったニュースは朝鮮半島情勢がかつてないスピードで推移していることを実感させた

▼金正日総書記の訪中目的と関連して、今回もさまざまな憶測が流れた。「経済難解消」「緊急支援要請」等々、前回持ち出されたレトリックが繰り返されたが、朝鮮に関する恣意的な解釈は結局、自己矛盾に陥る。「なぜ4カ月ぶりに訪中するのか」の問いに「緊急を要する事態」だと答える。では前回受けたとされる「支援」は何だったのか

▼5月の朝中首脳会談は4年ぶり開催だった。その間、朝鮮は核実験を2回行っている。当時、中国が隣国の決断を「支援」したという話は聞いたことがない。朝鮮は核抑止力を引き続き維持している。一方的に「武装解除」を迫る米国の圧力に屈する気配はない。そして朝中の首脳外交は再開され、中国側は朝鮮との「戦略的友好関係」を内外にアピールしている。そこには「訪中」の動機を「経済難」と結びつける評論家たちが決して触れようとしないテーマがある

▼東北アジアの国際政治の枠組みが変わりつつある。朝鮮も中国も時代の大きな転換を見越して行動している。一方が他方に依存するのではない。共通の利益がなければ両国の首脳がひんぱんに会うことはない

▼今回、胡錦濤主席は「朝鮮人民が自国の実情に合う発展の道を探求し、強盛大国建設で成果を収め、2012年を迎えることを心から願う」と述べた。自主の旗印を掲げ、繁栄を謳歌する朝鮮の未来、それを想定した新たな国際秩序の構築がすでに始まっている。(永)

[朝鮮新報 2010.9.3]