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春・夏・秋・冬

 大阪地検特捜部に逮捕された厚生労働省の元局長が無罪判決を受けた「郵便不正事件」は、特捜部主任検事が逮捕、起訴され、前特捜部長と副部長が逮捕される事態に発展した。メディアは「検察崩壊」を声高に叫んでいるが、その検察でさえ国家権力の一つの駒にすぎないことを忘れてはならない

▼2001年に総連中央元財政局長が逮捕、処罰された事件でも、検察は虚偽の内容の調書を作成した。しかも、公判では検察側証人が捜査段階で虚偽の供述をした経緯について詳細に証言したにもかかわらず、裁判所は有罪判決を下した。司法までも冤罪に加担したのだ

▼最近では、警視庁公安部が「薬事法違反の教唆」をでっち上げ総連東京都本部など関連施設と職員宅を強制捜索した事件でも、その不当性が司法の場で明らかになった。強制捜索を鼻息荒く報じていたメディアもこうした冤罪事件については沈黙している

▼国家権力によって事件をでっち上げられ、メディアにいっせいに報じられると、被害者は丸腰で戦場に放り出されるに等しい。いかに無実であろうと周囲の目は冷ややかだ。各紙は厚労省元局長の無罪判決を受け「もっと報道できることがあったのでは」「報道合戦が過熱し冷静さを失い、検察の構図に沿った報道に傾いた」などと振り返った。総連弾圧については依然としてだんまりを決め込んでいる。(天)

[朝鮮新報 2010.10.12]