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春・夏・秋・冬

 中・ロとの「領土問題」を機に、日本メディアの右傾化、均一化が加速している。尖閣諸島沖での「事件」映像がネット上に流出した件では、海上保安官の行動を「義挙」だと褒め称える一方で、政府の情報管理能力の無さを批判する。日本政府の対応についてとやかく言うつもりはないが、メディアがほとんど同じ論調というのはおかしくないか

▼ロシアとの問題でもしかりである。「北方領土が日本固有の領土」だとはっきり主張できなかったから「弱腰」だと首相に集中砲火を浴びせる。すべて自国の領土と声高に主張して相手を非難し、それをエスカレートさせれば行き着く先は戦争しかない。かつて国論を一つにして隣国を侵略した日本の近代史への反省はないのか

▼政府批判だけで終わっていればいいのだが、偏狭なナショナリズムを煽って、朝鮮学校の「無償化」にまで攻撃の矛先を向けているから問題だ。本紙でも紹介しているように、「無償化」実現のために運動を展開している良心的な日本の市民は多い。しかし、大手メディアはこのような動きをほとんど取り上げない

▼冷戦時代ははるか昔に終わり、世界は変わりつつある。既得権を守ろうと躍起になればなるほど、その代償は高くつく。本当に国の将来を憂えているのなら、勇ましいことばかり主張せず諸問題に真摯に取り組むべきではないのか。(国)

[朝鮮新報 2010.11.17]