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春・夏・秋・冬

 朝鮮西海の延坪島で砲撃戦が起きた。日本の新聞には「民間人に対する攻撃」の文字が踊り、テレビも「北の挑発」だとする一辺倒報道を続けた。他の周辺国の観点は異なる。中国の新聞は「北南朝鮮が交戦した」と書いた

▼ことの発端は北の領海に対する南の砲撃だ。南側は自分の領海だと主張するが、米国が設定した海の軍事境界線を認めていない北側からすれば、砲撃は停戦協定違反であり、事実上の戦争行為だ。今回、北側は警告に止まらず軍事的対応をとった

▼あの日、延坪島は停戦の約束が破棄され武装地帯と化した。それは1950年に勃発した戦争の延長線上に起きた。交戦状態に入れば、平時の基準が適用されない事態が生じ、双方の行動に軍事の論理が先行する。日本の新聞のように片方の被害状況だけに焦点を合わせても戦争の全体像は見えてこない

▼不安定な停戦状態を確固たる平和保障体制に転換させることが早急の課題だ。朝鮮半島がいまだ戦争状態にあることを忘れ、一方の交戦者に肩入れすれば、現状を追認し軍事的対立を煽ることになる。日本の首相は砲撃戦を理由に「高校無償化」プロセスの停止を指示した。「北の挑発」という一方的非難により朝高生の学ぶ権利を否定する強引な論理だ。それは在日朝鮮人を人質にして朝鮮半島の紛争拡大に加担していくと宣言したのに等しい。(永)

[朝鮮新報 2010.11.26]