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春・夏・秋・冬

 学校や職場、家庭でうっせきした不満や社会不安から犯罪に走るケースは多い。その矛先が公然と外国人、とくに東アジアの人々に向けられるようになった。09年はその紀元だとある学者は指摘する

▼1年前に朝鮮学校を襲撃した団体が、公園の使用問題を提起したことを「領土奪還」と称し各地でデモを敢行した。一方、同日、団体の正体を暴いた記事が公表された。在日朝鮮人が「特権」を享受しているというネット上のデマを鵜呑みにし、街頭で差別発言を繰り返す空虚な「活動」に身を投じる会員らの背景や動機に迫った

▼筆者は「彼ら彼女らは正当な活動をしていると思い込んでいる」と語る。会員らの多くは人生を「器用に」生きてこられなかった。たまたま見つけた自己主張の方法が排外主義だった。ネットを通じて集う「仲間」と「連帯」し、街に出て「活動」するという「生きがい」を得た。だが、幻とのたたかいは矛盾にぶつかる。各地で罪を犯し、他の右翼団体からも「下品だ」と非難される

▼根本的な問題は、差別発言を止める手立てがないところにある。国連は人種差別禁止法の制定を勧告しているが、日本政府は「深刻な人種差別はない」「表現の自由に関わる」といって否認する。「高校無償化」からの朝鮮学校排除に見られるように、政府自身が差別を助長するかぎり、排外主義集団の「活動」は終わらない。(天)

[朝鮮新報 2010.12.6]