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不屈の女の一生−DVD「海女のリャンさん」

 ドキュメンタリー映画「海女のリャンさん」がこのほどDVDで発売された。(問い合わせ=桜映画社TEL03・3478・6110)。

 映画を撮っているときには86歳だったが、いまは95歳。大阪・生野区の同胞社会で近隣の同胞女性たちの手助けを受けながら、意気軒昂とした一人暮らし。また、昨年5月にも息子家族に会いに平壌を訪ねるなど、壮健ぶりが伝わってくる。

 今年は朝鮮が日本に併合されて100年。まさしく、DVD「海女のリャンさん」には、在日1世の女性の過酷な労働と植民地支配と祖国の分断でほんろうされた家族の歴史が鮮明に刻印されている。

 記者自身、このドキュメンタリー映画を4、5回観たが、いつも泣かされるのは、リャンさんが エアポンプを口にくわえ、水深50b、時には100bまで潜り、体力の限界まで海底のアワビやサザエ、海藻類を探す場面だ。たとえ、潜水病に倒れて意識を失っても、また元気を回復して翌日には海に潜った。リャンさんは牛乳1杯飲むこともせず、稼いだお金のほとんどを大阪の家族に送金する。これを40年続けた。そして、朝鮮学校設立のために奔走した亡き夫について語りながら、「アカ仕事でいっさい家にお金を入れなかったよ」と語るシーンにも…。次世代のために粉骨砕身働く夫を尊敬し、支える姿は、無言のうちに人間の価値とは何かを教えてくれる。

 いまも各地の上映会を通じて、感動を呼んでいるこの映画。20世紀のあらゆる受難にもめげることなく生きてきた不屈の「女の一生」を、もう一度DVDでどうぞ。(粉)

[朝鮮新報 2010.8.6]