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「人生50年」

 晴れて(?)50代へのデビューを果たした。半世紀を生きたのかと思うと、さすがに感慨深い気持ちになる。

 「人生50年」といわれた時代からすると、もう一生分を生きたことになるのだ。わが身を振り返ると、どれもこれも道半ばで、とても天寿を全うする心境にはなれそうもない。

 若い頃に思い描いていた50歳は、しっかりと地に足がついていて、確たる自分をもった、自信に満ちた「自立した大人」だったはずだ。

 23歳で親元から巣立って社会人となり、妻となり、母となった今も、理想とはほど遠く、ジタバタともがき、自分の未熟さに落ち込む日々だ。

 「世界で唯一の自分の歴史を歩いてきた」、あるインタビュー記事で出会った言葉。その声の主が、まだ20代の若い女性であることに衝撃を覚えつつ、自分自身に対する絶対的な信頼と自信が眩しく心に響いた。

 思い通りにならない現実は、自身をちっぽけな存在に追いやろうとするけれど、挫折や失敗だらけの人生だって、誰にもまねできない自分だけの歴史だと思えば、愛着も湧いてくる。いつか、これまでのいろんな経験が日の目をみることがあるかもしれない。自分を信じてあがき続けよう、そんな前向きな気持ちにさせてくれた。

 現実を受け入れ、あるがままの自分を丸ごと受け止めること。そして、できることから小さな一歩を踏み出してみよう。第2の青春はスタートしたばかりだ。(鄭潤心、会社員)

[朝鮮新報 2010.6.4]