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〈リレーメッセージ×私たちのビジョン〉 アイデンティティー継承に向け

車葡戟@神奈川県青商会副会長 神奈川・川崎 37歳

 幼い頃、同胞の団結ネットワークは今よりも強かった。付き合いや助け合いが生活に生きていた時代だった。デモ行進などにも多くの同胞が参加した。現在、日本の友人らと話すと、このような強い団結力が羨ましいという声を多く聞く。これを今一度、有効活用したいと考えている。青商会はもちろん、より大きなネットワークが同胞社会にはあるということだ。ネットワークは、地域や学校のために使うほど生きてくる。その延長線上に本業が広がるという考え方だ。

 在日同胞社会の大きな流れをしっかり知ることが大事だと考えている。朝鮮学校の現状を知らない人たちがまだまだ多い。それにより、朝鮮学校に子どもを入れないという知り合いが実に多い。

 朝鮮学校に子どもを入れないという同世代の傾向性として、学生時代にヤンチャだった自分と同じように現在の朝鮮学校でも勉強をしない環境があると学校側のせいにしているケース、朝鮮学校の教育を理解しながらも金銭的な理由で送ることができないケース、朝鮮学校のカリキュラムにはない別な経験を積ませたいなどのケースだ。

 これらの問題への取り組みとして青商会が実践していることがある。青商会の民族フォーラムのDVDを見てもらうことだ。これで大方、朝鮮学校の現状を知ってもらうことができる。私の場合、その後に話し合いに行って、朝鮮学校を卒業してもその気になればどこでも就職が可能だと、世界の舞台で活躍する最近の卒業生の多様なありようを見てもらいたいと訴えている。

 20代の頃から地元ではない地域で青商会活動をしながら、個の力がネットワーク化し、大きな力になるということを実感してきた。

 コリアンとしてのアイデンティティーが継承されなくてはならない。そうしなければ、在日1世から今日まで脈々と受け継いでいるものが水の泡となり、何年、何十年後に実現するであろう祖国統一、朝・日の国交正常化に正面から向かい合うことができない。

 民族教育を全同胞が見つめ直そう。そうするうえで同窓会はとても良い手段だ。卒業10周年、20周年など機会を見て開催すると、新たなネットワークが構築されていく。

[朝鮮新報 2011.2.23]