top_rogo.gif (16396 bytes)

東日本大震災 「焼肉塾」メンバーら、被災地で炊き出し


「同胞を、ひとときでも笑顔に」

22日、被災地へと出発した救援隊メンバーら

 東日本大震災で被災した同胞たちを救援するため、在日本朝鮮人商工連合会と青商会中央の協力を得て結成(2003年)された「同胞若手飲食業経営者研究会(通称=焼肉塾)」の救援隊が、22日午後6時半ごろ朝鮮商工会館(東京・上野)を出発した。

 救援隊は、「焼肉塾」メンバーと商工連合会の担当者1人で、冷蔵車とワゴン2台で被災地に向かった。2泊3日の日程のなかで、宮城、福島を回り炊き出しを行う予定だ。また、救援物資と義援金もともに届けるという。

 大震災により、東北地域で飲食店を営む「焼肉塾」メンバーらも大きな被害をこうむった。このニュースを受け、運営委員会では、ただちに現地に救援物資を届ける方向で話がまとまった。また調理人でもある自分たちが現地で出来ることを考え、炊き出しを行うという意見で一致した。

 炊き出しを提案した趙和成相談役(前会長)は、「震災によって仙台で飲食店を営む同級生も被災した。そんな彼が、自分自身も大変な状況にありながら冷蔵庫に備蓄していた食料を調理し、自転車で近隣の住民らに届けたという。その話を聞いて、胸が熱くなった。被災地にいる同級生すらも救援活動をがんばっているのに、自分たちが何もしないわけにはいかない。被災者へあたたかい食事をまかなおうと思った」と語った。

冷蔵車とワゴン車に、それぞれ救援物資を積んだ

 救援隊の冷蔵車とワゴンには、牛肉360kg、キムチ40kg、汁100人前の具材、米270kg、飲料水が積まれた。また、被災地の同胞や活動家に負担をかけないよう、紙コップや紙皿、割り箸などの食器、鍋や調理道具も全て用意された。

 一方、「焼肉塾」メンバーが今回、肉の搬入を依頼した日本の精肉業者からは、独自に豚、鶏肉、ウィンナー計120kg、そして紙おむつやマスク、除菌スプレーなどの日用品が救援物資として持ち寄られた。業者は、さらに冷蔵車を無償で貸し出してくれたという。

 趙和成相談役によると、この日本人業者は「現地まで行けずに申し訳ない。少しでも被災した方々のたしになれば」と涙ながらに話していたという。

 さらに、米の搬入を依頼した日本の酒屋からは、水のペットボトル(2ℓ)約50本が寄付されたという。

 「焼肉塾」の金義広会長(京都府青商会会長兼青商会中央常任幹事)は、「救援活動の目的はただひとつ。避難生活が長びき苦労する同胞をはじめ被災者たちが、温かいごはんや焼肉、スープを食べてひとときでも笑顔になってくれれば」と話した。 (周未來)

[朝鮮新報 2011.3.23]