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東日本大震災 沿岸地域で2回目の炊き出し

宮城対策委の朝青員たち

焼肉をおいしそうにほうばる日本の小学生たち。炊き出しが行われた中学校で避難生活を送っている

 総連緊急対策委員会宮城県本部が24日、大震災による被害が大きかった仙台市若林区荒浜周辺の避難所となっている蒲町中学校で、避難生活をしている同胞と日本市民たちのために炊き出し(600食)を行った。

 対策委による炊き出しは、20日に東北朝鮮初中級学校近隣の八木山中学校で行われたのに続き、2回目となる。20余人の同胞青年たちが中心となり、焼肉、ウインナー、おにぎりをまかなった。同所で避難生活をしている日本市民らも朝青員を手伝った。

 蒲町中学校には約300人が避難しており、その内の200人は津波の影響で家を失ったという。この日の炊き出しには、東北放送ラジオで流された事前案内を聞いて足を運んだという人たちもいた。また、焼肉を久しぶりに食べた、力がわいたという人たちが多かった。

 宮城の朝青員たちは、2陣に分かれて炊き出しの準備を行った。

 炊き出しには、近くに住む同胞たちも参加した。宋成永さん(46)、朴蓮淑さん(40)夫婦は、炊き出しの知らせを聞きつけ朝青員たちを手伝うためにやってきた。津波の被害によって、当分の間仕事をできなくなったという。夫婦は、来年4月に小学校1年になる娘をウリハッキョに送るために、数年前に青森から引っ越してきたという。今回の大震災で大きな被害を受けた東北初中が気にかかるので訪れたいと語った。

炊き出しに参加した朝青員たち

 また、避難生活の中で59歳の誕生日を迎えたというある同胞は、数年前まで焼肉店を営んでいたが、この日の焼肉がとてもおいしいと話していた。「肉もタレもおしいかったが、朝青員たちが働く姿が感動的だった。宮城同胞社会の将来を心配する必要はないと、強く感じた」。

 蒲町中学校に避難するある日本の小学6年生は、津波で家を失い、高校1年の兄が行方不明だという。早く正常な生活を送りたいという彼は、「本当に久しぶりに焼肉を食べた。おいしかった」と喜んだ。

 炊き出しに、豚汁作りで参加したある日本市民は、「日朝のコラボレーションが生まれている。みんな笑っている」と笑みを浮かべた。朝青員たちは、「私たちは朝鮮総連の青年たちです。在日同胞と日本市民たちが焼肉を一緒に食べ、宮城の復旧のために力を合わせていこう」と呼びかけた。

 焼肉とおにぎりの一部は、現地で奉仕するボランティアの人たちに配った。

 一方、朝青東北地方委員会は23日に携帯電話とパソコン上で閲覧できる「朝青東北モバイルサイト」(http://84.xmbs.jp/chochong/?guid=on)に特設ブログを設け、被害地域での全般的な活動の様子を随時発信している。ブログ管理をする朝青宮城八木山班の崔純彰さん(23)は、「私たちの活動情報を発信すると同時に、激励のメッセージを受け取ることで、各地の同胞たちの心が一つにつながるようにした。各地の同胞たちの激励が、私たちの、力の源になっていると」力強く語った。(李東浩)

[朝鮮新報 2011.3.26