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福島初中で同胞の集い、金剛山歌劇団の慰問公演も

「がんばろう福島!

 3月11日の東日本大震災以降初となる福島県同胞の行事が16日、福島朝鮮初中級学校で行われた。「がんばろう福島!同胞の集い」と銘打たれたこの日のイベントには郡山市在住の同胞を中心に、総連の活動家、学校の教員、児童・生徒、保護者らが参加した。金剛山歌劇団による慰問公演も行われた。

「同胞元気づけたい」

金剛山歌劇団による慰問公演

 福島では毎年この時期、支部ごとに花見を催してきた。先月11日の東日本大震災に福島第1原発の事故による放射能汚染が重なり、行事の開催が危ぶまれたが、「こういう時こそ地域同胞が集まる場が必要」だという声が上がった。

 会場となった同校体育館には震災後、日本各地から送られてきた激励メッセージとともに、「がんばろう福島!」の横断幕が掲げられていた。

 総連中通支部の尹鐘寛委員長のあいさつに続き、今年、県下の学校や朝青などに配属された新人3人が地域同胞に紹介された。また、福島朝鮮初中級学校に入学した新年生に中通支部からプレゼントが贈られた。

 金剛山歌劇団の慰問公演は混声3重唱「パラム(風)」「コマウォ(ありがとう)」で幕を開けた。続いて、女声2重唱「故郷の春」、「希望」、チャンセナプ独奏「青山の野に豊年が来た」、「アメージング・グレイス」、トランペット独奏「旅立ちの朝」、農楽など、さまざまな演目が披露された。舞台の最後を飾った民謡のメドレーでは、軽快なリズムに合わせて会場に踊りの輪が広がった。

大きな拍手喝采を送る同胞たち

 公演時間は時間弱。歌劇団のメンバーは出演者、スタッフを含めて13人と、小規模なステージだったが、大きな拍手喝采が送られた。公演を見ながら涙ぐむ人もいた。

 「不安な生活を送る同胞たちを音楽の力、芸術の力で元気づけたいと思い、駆けつけた」。

 金剛山歌劇団の李龍秀団長は「困難の中でも決してあきらめずにがんばる福島同胞たちの姿に、かえってわれわれが力をもらった」と、公演後の心情を語った。また、「リクエストがあれば、ほかの被災地にも行きたい。年間の公演も震災復興チャリティの形で行うなどして、可能な限り復興に貢献していきたい」と今後の取り組みについても述べた。

舞台ではさまざま演目が披露された

 公演を観覧した郡山市在住の50代同胞男性は、「素晴らしい舞台だった。訪ねてきてくれて本当に感謝している。今日の集いが、震災と原発の問題でダメージを受けた地域同胞社会を再び活性化させるきっかけになれば」と話していた。

 公演終了後、校庭で焼肉パーティが行われた。食材は日本各地の同胞から送られてきた救援物資でまかなわれた。強風が吹きすさぶ天候の中でも、参加者たちはおいしそうに焼肉をほおばっていた。

 また、会津市内のホテルで女将を務める梁得連さん(60)が救援物資として米300キログラムを車に積んで、学校を訪れた。

「不安でいっぱい」

公演終了後、校庭で行われた焼肉パーティ

 悪夢のような震災からカ月。原発の放射能汚染はいまだ収束の気配を見せていない。福島では他県に比べて復興に向けた足取りは重い。浜通り地域を中心に現在も余震が続いている。放射能に関する「風評被害」によって、個人の生活レベルでも商業活動のレベルでも受ける打撃は大きい。

 目に見えない放射能の恐怖。「生活、商売、学校、そして同胞社会は一体どうなるのか」。この日、行事に集まった中通り地域の同胞たちからも、先行きに対する不安の声が漏れた。

 今年、長男を学校に入学させた鄭明成さん(34)、玄麻美さん(32)夫婦は、「原発問題で今すぐ状況が良くなるとは考えにくい。みな地元が大好きで、福島同胞社会を盛り上げたいという気持ちは強いが、子どものことを考えると、正直不安でいっぱいだ。それでも、今は何とか頑張るしかない」と胸のうちを吐露した。

 「3月11日以前の生活を返してほしい」(尹彩栄さん、28歳、郡山市在住)。福島同胞たちの訴えは切実だ。

 総連本部、支部では現在、被災同胞に救援物資を届ける活動とともに、同胞の生活上の不安を払拭し、元の日常を取り戻すための懸命の取り組みを続けている。

 中通支部の尹鐘寛委員長は、「日本各地の同胞たちの支援によって福島同胞社会は支えられている。今日の集いは、そんな支援に感謝し、『福島は死なずに生きている』というメッセージを発信する場でもあった。原発の問題に対する不安は依然大きいが、われわれも可能な限りの対策を講じて、一日も早く同胞たちの生活を正常に戻すために努力していきたい」と語った。(李相英)

[朝鮮新報 2011.4.19]