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東日本大震災 医療法人社団・東京朝日会理事長の金一宇さん 100万円を寄付

被災同胞の力になりたい

 16年前の阪神淡路大震災のとき、神戸市内の朝鮮学校に行って避難生活を送る同胞たちの健康診断に当たった経験がある。あのときもライフラインは完全に止まり、同胞たちは厳しい生活を送っていた。大変なことだと思った。

 一方で、兵庫の被災同胞たちへの各地同胞の迅速で心温かい支援はすばらしいと感じた。

 当時、総連ではいち早くバイク部隊などを編成して物資を届け、同胞たちは温かい食事をすることができた。

 このような対応は、被災同胞たちにとって「温かい食事」だけにとどまらず、そのバックには各地の同胞たちがついているんだという心の支えになったと思う。

 今回、東日本大震災のニュースを聞いて、何かしなければ、と思った。ただ、1人でできることはわずかだ。在日本朝鮮人医学協会(医協)などを通じて組織的に支援すれば、大きな力になると考えた。

 日本政府は日本人を大事にするのであって、在日同胞の問題はやはり在日同胞同士で支え合いながら解決しないといけない。そのために少しでもお手伝いできることをしたいと思い立った。

 弟(金英宇氏)は総連医療団のメンバーとして仙台に行ってきた(3月20〜21日)。そのときの話を聞いて、同胞らの苦労を感じ、胸が痛かった。阪神淡路大震災の経験から、報道されているよりも現場はもっとすさまじいということは容易に想像がつく。

 私たちが今できることは何かと考えていたところ、医協が広く義援金を呼びかけていたのでそこに参加させていただいた。ただそれだけのことだ。

 被災した方々は、明日からどうすればいいのかという計りしれない不安を抱えていると思うが、前を向いてがんばってもらうしかない。そのために私たちもお手伝いできることをしていきたい。

 それが被災同胞の勇気となり、復興の力となることを信じている。

 これからも、おのおのができることをやっていくしかない。

※1942年東京生まれ。東京朝鮮第4初中級学校、横浜市立大学医学部などを卒業後、1968年から西新井病院で脳神経外科長、副院長を歴任。99年からあさひ病院院長、01年から現職。

[朝鮮新報 2011.4.20]