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「高校無償化」 「高3卒業まで時間ない」 連絡会が手続き再開要請

首相官邸、文科省庁舎前でリレートークも

首相官邸前で朝鮮学校への「高校無償化」即時適用を求める同胞、日本市民ら

 250の市民団体が名を連ねる「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」の代表らが12日、内閣府と文部科学省を訪れ、朝鮮学校への「高校無償化」即時適用を求める管直人首相、仙谷由人内閣官房長官、高木義明文部科学大臣宛の要請書を提出した。朝鮮高級学校の校長会とオモニ会の代表らも同席。差別撤廃を求める生徒や同胞らの心情を伝えた。その後、文部科学省記者クラブで会見が開かれた。首相官邸と文部科学省庁舎の前の路上では、日本市民と同胞らが横断幕を掲げリレートークとビラ配りを行い、「無償化」適用を声高に訴えた。

 朝鮮高級学校10校は昨年11月、文部科学省の指示に従い、「高校無償化」制度適用の申請を行った。しかし、菅首相は朝鮮西海での砲撃戦を理由に審査手続きを止めた。

 審査から実際に「就学支援金」が支給されるまでは2カ月程度かかるとされており、朝高3年生の卒業まで猶予はない。高木義明文部科学相は年末の定例会見で「年明け早々にも解決を図っていきたい」と述べ、適用手続き再開に意欲を示した。しかし、14日に内閣改造が行われる見通しで、問題がまたも先送りされかねないと懸念が広がっている。

 そうしたなか提出された要請書は、日本政府が朝鮮学校を「無償化」から除外し、繰り返し適用を先送りすることにより、在日朝鮮人に対する差別と排外的風潮が煽られていると厳しく指摘。▼朝鮮学校への「高校無償化」法の適用をすみやかに最終決定し、▼朝鮮学校の教育内容に介入せず、▼「外交上の配慮」を含めないという政府の方針を堅持し、朝鮮政府との間にいかなることがあろうとも決定を覆さず、▼朝鮮学校を排除し差別したことについて生徒、保護者に謝罪するよう求めている。

差別撤廃を求める同胞、日本市民らの思いを語る朝鮮学校関係者と連絡会代表ら

 全国朝鮮高級学校校長会の崔寅泰副会長(茨城朝鮮初中高級学校校長)は「子どもたちに繰り返し不安と落胆を与えた政府の責任は重大だ。私自身、教育者であり大人として、生徒たちに『差別をなくすことができなかった』と伝えることなどできない。今後、日朝の懸け橋になる存在である生徒たちの心にこれ以上、傷を負わせないでほしい」と訴えた。

 東京朝鮮中高級学校3年生の息子を持つ李恩淑さんは「子どもたちは『無償化問題』を通じて、民族差別という厳しい現実を知ることになり、深く傷ついた。3年生はもっとやりたいことがいっぱいあったはずだが、後輩たちのために街頭に立ち、デモや署名活動に参加した。最後はこの問題を解決して、晴々と気持ちよく卒業させてあげたい」と保護者らの願いを代弁した。

 日本市民らは「国家間の問題を子どもたちに押し付けるのは絶対許されない」「朝高生の心情を思うと胸が痛い。日本人として恥ずかしい」「3年生が卒業するまで時間がない。首相は審査を停止させた指示をすぐに撤回すべきだ」などと訴えた。

 要請に応対した内閣府、文科省の関係者らは、国家間の問題を子どもたちの教育問題に持ち込んではならないという指摘に理解を示し、要請内容を責任をもって伝えると述べた。

[朝鮮新報 2011.1.13]