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北海道でウィンターフェスティバル

一体感生んだ3日間

白熱した雪中運動会

 しんしんと雪が降り積もる北海道に、今年も熱い3日間が訪れた。

 1月11日から3日間、「第2回『チンヒョンジェ』ウィンターフェスティバル2011」が北海道朝鮮初中高級学校で行われ、北海道初中高と福島朝鮮初中級学校の初、中級部生87人と日本学校に通う同胞生徒27人の計114人が参加した。

 昨年の「ウリ民族フォーラム in 北海道」に先駆けて行われた「第1回『チンヒョンジェ』ウインターフェスティバル」は、北海道と東北の朝鮮学校生徒、そして北海道の日本学校に通う同胞生徒とのつながりを構築したいと願っていた学校側の希望が、青商会の全面的なバックアップによって支えられ、実現へとつながった。フェスティバルは今年も、茨城の「セッピョル学園」(茨城朝高学区の朝鮮学校生徒らによる2泊3日の行事)の経験を引き継いでいこうという気持ちで青商会が中心となり実現した。

 11日午後12時を超え、福島初中の生徒らが到着。歓迎ムードが漂うなか、高らかにフェスティバル開会が宣言されると、グラウンドに降り積もる雪原のなかで雪中運動会が催された。これほどの大雪を見たことがないという福島の生徒らは、寒さも忘れ終始、大はしゃぎであった。その後、牛乳パックを使ったアイスキャンドルを作り、初級部生徒は温泉へ、中級部生徒は大卓球大会で汗を流した。

 オモニたちは子どもたちの休憩に合わせて熱々のココアを準備し大好評だった。愛媛大学大学院で博士課程にある韓昌道さんが講師を務めた講演は、低学年、高学年、中級部別の年齢心理的特性に合わせた楽しいクイズ形式で行われた。

 フェスティバルは、学校間の枠を超えた生徒らの強い一体感を生んだ。携わった関係者らは環境と地域を超越し、「ウリトンム」たちが集まることへの意義を再確認していた。

関係者たちの情熱 町内会の人々も手伝い

青商会メンバーと教員たちによるスケートリンク作り

 昨年の第1回フェスティバルは、青商会会員をはじめ関係者らが北海道の特徴を生かそうという思いで北海道初中高の運動場にスケートリンクを13年ぶりに作った。そのとき発揮された情熱は、今年のフェスティバルでも変わることがなかった。関係者らは今年もスケートリンク作りに没頭した。

 北海道では年末年始に積雪が少なかった。そのため、予定していた作業開始日を変更した。フェスティバル前後の天候も考慮した結果、開始日を予定よりも2日先送りし、7日にスタートした。「冒険的」ではあったが、予報どおりの積雪となった。そして昨年の経験を生かし、地ならしを2日間行ったことで、氷の張り具合は最高の状態だった。

 フェスティバル当日の午前6時に作業を終え関係者らが仮眠をとっていると、8時ごろから再び雪が降り始めた。一度凍らせると、雪がない状態で水撒きを続けなければならない。時間がないという焦りと降り止まない雪を見ながら、関係者は不安を抱いていた。

 そのときだった。学校近隣の町内会の人たちが駆けつけ、各自が自家用の雪かき機をもって作業を手伝ってくれた。作業の効率は格段に上がり、教員や青商会会員たちの心に再び闘志という火が灯った。

 「最後までがんばろう。スケートリンク完成に向かって水を撒き続けよう」。青商会会長の檄に会員や教員、福島の教員らも応えた。

 フェスティバル2日目の12日朝、ついにスケートリンクが完成した。作業に携わった人たちの表情は、やり遂げたという喜びに満ちあふれていた。また、手作りリンクで生徒らが楽しく過ごす情景を眺めつつ、子どもたちにスケート靴を履かせ、リンク上の雪を掃くなど、朝までの疲れがどこかに吹っ飛んだような雰囲気だった。

 今回のフェスティバルは青商会のみならず、各組織のサポートと、とくに心ある日本の人々の好意によって成り立った。町内会会長は、フェスティバル以降も雪が降るたびに雪かきを手伝ってくれている。

 一方、生徒たちは「ウリトンムたちは全国にいる」という共通の認識を持つようになった。【北海道初中高】

[朝鮮新報 2011.1.31]